SS集

 Side 羽崎 トウマ


 =夜・自宅=


 これは皆と映画を観終わった後に起きた出来事を纏めたものである。


 主に自宅での会話だ。


【今後の予定】


 Side 羽崎 トウマ


 一人風呂に入っていた。

 着替えとかは一日ぐらいなら大丈夫で我慢する事にしたらしい。

 

(明日には決着の流れかな……)


 などと考えていた。

 決着がつくと言う事はこの夢のような時間が終わると言う意味である。

 

(……寂しいな)


 正直言えば寂しい。

 離れたくない。

 もっとこの時間が続けばいいと思う。

 我儘なのは分かってる。


(でも待っている家族や皆がいるからな)


 彼女たちには恵まれた家族、友達、学校、人生があるのだ。

 ならば明日にでも決着をつけて帰らなければならない。


【一方その頃】


 Side はるな


 トウマが席を外しいている間、のどかちゃん、ウサリン、ようこちゃん、セイナちゃんが話をする。


 この世界の事についてだ。


 この世界はトウマが何らかの形で関わっている。

 それは私も同じ考え。

 だけど悪意はないと思う。


「そうだね。とてもそんな風には見えないもんね」


「僕もそう思うリン」


 のどかとウサリンが同意してくれた。


「私も——ヒーローがアレだけ好きな人が悪い人には思えない」


「ようこちゃんの言葉に賛成です」


 ようこちゃんとセイナちゃんも同じ気持ちのようだ。


「明日はとうとう、中学校に乗り込むんだよね」


 不安気に言うのどかちゃん。


「うん。念のため、ショッピングモールの方も軽く探すけどあるとしたらそこだって」


 私はそう段取りを伝えた。


「いじめられていた——中学校にですか?」


 どう言い現わせばいいのかセイナちゃんが辛そうに言った。

 

「たぶんトウマは辛いと思う。だからこそ、皆で支えてあげよう」


「「「うん」」」


「リン!」


 こうして皆の気持ちが一つになった。


【ヒーロー】


 Side  羽崎 トウマ

 

 自分の狭い部屋に少女4人と一匹が上がり込んでアレコレ見ている。

 主に自分が描いたヒーローのイラストをだ。

 

 キッカケはようこが「トウマの考えたヒーローを観たい」と言ったのがキッカケだ。

 アニメで彼女達の事を一方的に知っている自分は拒否する権利もないかなと思って承諾した。


 自分の考えたヒーローを熱心に観る少女達に解説するのは、将来の事とか何も考えてないヤンキーとか、悪意しかない連中相手とは違った意味で恥ずかしい


「ヒーロー作品ってそんなに人気なんですか?」


 セイナが話題を振る。


「今も現役だな。毎年新たなヒーローが産まれてる。海外だと巨額の予算を投じてアメコミヒーローの映画が作られていて一時は凄かったんだ」


 その毎年産まれる新たなヒーローの中にはピュアリアも含まれている。


「それで、トウマさんの世界にはヒーローはいるんですか?」


「……どうだろ?」


 セイナの話題に触れて俺は真剣に考え込む。

 ふと谷村 亮太郎君と藤崎 シノブ君の事が頭に思い浮かんだ。

 それと闇乃 影司君とか。

 変身ヒーローではないがヒーローの領域である事は確かだな。


 次に頭に思い浮かんだのは自分が住んでるI市を騒がしているエンジェリア。

 ピュアリアみたいな人達だ。


 だから「いる」と答える。


 それを聞いてセイナとようこは「本当ですか!?」と目を輝かせる。

 その後、エンジェリアについて語る事になった。

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