第8話「映画観賞会」

 Side 羽崎 トウマ


 =昼過ぎ・トウマの自宅・リビング=


 そこで映画の観賞会になった。

 

 ライドセイバーの映画。

 

 ライドセイバー平成ジェネレーションズ・フォーエバー


 4人と一匹に映画の軽い説明をした後、リビングのテレビで映画を観てもらう。

 ようことセイナの二人はヒーローの映画と聞いて興奮気味だった。


 そして映画が始まる。

 

 俺は口挟まず4人と1匹の様子を眺める。

 皆真剣な眼差しで映画をみていた。

  

(俺もこんな風に映画を観てたのかなぁ)


 などと思う。

 この映画は平成の締めを飾るヒーロー映画だ。

 ライドセイバービルダとジオス。

 Wとデンドー、そして平成始まりのライドセイバー、ガウクも関わってくる。


 色々と考え込んでいるウチに物語は一種のターニングポイントに迎えつつあった。

 この物語の主要人物の少年の家。

 そこには歴代のライドセイバー達のグッズがところせましと並べていた。


 これをみていたピュアリア達はハッとなった。


 何を考えているのか。

 どう言う想いを巡らせているのかは分からない。


 物語は続く。


 そしてデンドーが偽のデンドーとも言うべき存在を圧倒するシーン。

 そこからライドセイバーデンドーやデンドーレッシャのオーナーが語る。

 

「僕達の存在は嘘かも知れない。だけど君が覚えている限り、僕達はその記憶の中の時間で生き続ける」


「人の数だけ記憶はある。重要なのは覚えているか? ですから」


 その言葉にウンウンと頷くピュアリア達。

 そしてウサリン。

 完全に物語の世界に入り込んでる。


 話はクライマックスへ突入。

 現実の世界で暴れ回る怪物、怪人。

 現れるのは虚構の存在だったヒーロー達。


 次々と現れ、敵を薙ぎ倒していく。


 そしてクライマックスに突入し、ラストは決め技の連発。


 敵は倒され、ライドセイバー達の勝利に終わった。


 あっと言う間に終わってしまったな。


「凄い面白かった!! それにそれに、この作品をどうして見せたかったのが分かった」


 興奮気味にはるなが語る。


「はるなってばもう。だけど私も分かった。トウマさんが伝えようとしたこと」


「そうリン!! ウサリンも分かったリン!」


 まどかとウサリンも笑顔だった。


「そ、そうだよ! わ、わわ、私達は——創作物の存在じゃないんだよ!」


 泣きながら語るようこ。

 

「そうですね——トウマさん、ありがとうございます。アナタの言いたい事、分かりました。このためにこの映画を見せてくれたんですね」


 セイナが感謝する。

 正直俺はと言うと上手く行きすぎてちょっと怖さを感じてしまった。

 だけど今は——


「ありがとう。皆と映画を観れて、こっちも楽しかったし、そして好きな作品がこうして評価されて嬉しかったよ」


 好きな作品が好きな子に大絶賛される。  

 とても嬉しい事だった。


「あの、そう言えばまだ映画〇ョーシンで購入してましたよね? 他にもそう言う作品あるんですか?」


 セイナが顔を赤らめて懇願する様に言う。


「ああ、あるにはあるが——連続で見るのはキツイんじゃ——」


「トウマの言う通りリン。ちょっと休憩を入れるリン」


 俺の言葉にウサリンが賛同してくれた。



 その後、休息を挟んで——

 

 大決戦!ウルトマイト8兄弟


 スーパーヒーロー戦記


 の、2作品を観てたらすっかり夜になった。

 そして夜食のコンビニ飯。

 なんとなくだがこの事件は明日で解決しそうだ。

 そんな気がする。


 4人とウサリンの話題は皆、映画の話題だった。

 今日見た3つの映画は題材として現実世界と創作物の世界が扱われている。

 それを観て皆俺が言いたかった事を理解してくれて、何より楽しんでくれたのがとても嬉しかった。 

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