死が二人を分つまで

神田清太郎は独身の中年画家である。ある夜バーで見かけた後藤マリに一目ぼれし、求婚するが、マリには不動産王の夫・後藤誠がいた。マリは夫が上京する度に秘書役で同行するが、夜になると夫は仕事の打ち合わせと称して遊びに出かけてしまい、マリはいつも独りで行動している。マリに惚れこんでしまった清太郎は彼女が上京する度にデートに誘った。強引に結婚を迫る清太郎に対し、マリは結婚の永遠の愛を誓う言葉の一節である『死が二人を分かつまで』を引用し、夫が死ぬまでは生涯誰とも結婚しないと拒絶する。
　その一方で、マリは清太郎の絵のヌードモデルになる。
　清太郎は結婚を頑なに拒絶するマリを手に入れるには、後藤を殺すしかないとまで思い詰めていた。
ついに清太郎は小学校同期で、元組員の国本征一に不動産王殺しを依頼する。清太…続きを読む