第3話 クライマックス戦闘第2ラウンド・エンディング

 「陣形を構築する。シャレード・ロゼ、移動せよ」

 「了解」


 2ラウンド目のセットアッププロセス。

 シャレード・ロゼが2-Dに移動する。


 続いて、エフェメラの戦闘支援ヘリが行動する。

 「ムーブでD3まで移動、メジャーでアタックアシストをソラナキに」


 続くイニシアチブプロセス、エフェメラは戦術指揮を発動する。

 アインヘリアル・アスピドケロン、ソラナキ、ヴァライフ・ザードに指揮のバフがかかる。


 続くシャレード・ロゼの手番では、ギュゲスビームキャノンの攻撃により残りのボットフロウン、ボットミゾットが全滅。攻撃はボスのホバータンクにも命中し、50のダメージを与える。


 「ホバータンク、残りFP350か」


 大半の戦力を一度に失い、レイティアはため息をつく。




 続いて、水木シゲミが行動を開始する。


 「ロケットブースターを使うよ!」


 ソラナキが猛スピードでホバータンクに接近する。


 「リミッター解除B…カテドラルアサルト…加護バイラヴァを代償に、レクイエムカリバーオラトリウム!」


 ソラナキの巨大な光剣がホバータンクに振りかざされる。


 「ファンブル…!」

 「リトライ」

 「またしてもファンブル…!」

 「ブロウビート!」


 エフェメラとフィールの支援で、ソラナキはファンブルを回避する。

 新しいものには不具合がつきものだが、カテドラルもその例外ではなかった。


 「6の出目の真理ダイスを使用!デストロイシュートⅡ!さらに加護バルドルを使用!」


 158の光属性ダメージ。ホバータンクの残りFPは192となった。




 「ただやられているだけでたまるか!一矢報いてみせる。ミサイルランチャーをくらえ!」


 ホバータンクからミサイルが放たれる。

 攻撃対象はアスピドケロン、ヴァライフ・ザード、支援戦闘ヘリだ。


 「加護ヘルを使用」

 「オーディン」

 「ならばこちらもオーディン」

 「さらにオーディン!」


 ヘルの効果はエフェメラとシゲミのオーディンで防がれるが、63の炎属性ダメージが3機に入る。

 その攻撃により、エフェメラの戦闘支援ヘリはブレイク。アスピドケロンとヴァライフ・ザードも多大な損傷を受ける。


 「あうっ、中々いい製品のようで!」


 衝撃でエフェメラが揺れる。


 「こいつは購入品だけどね。中古市場で売ってるのを買った」

 「まっさかアスピの全力障壁をブチ抜かれるたぁのう………」

 「なんとなく使ったが結構いい働きしてくれるな」


 自社製のガーディアンよりも中古品が活躍していることをあまり気にかけていない様子のレイティアが、ソウイチにとっては不思議だった。

 が、レイティアには、試作機が想定通りの性能を発揮しないことなどありふれたことだ、という諦観があった。


 「ムーブでアサルトチャージ…全力移動でタンクに接敵!」


 アインヘリアル・アスピドケロンがホバータンクに突撃する。


 「ツインアームズ!」


 特試荷粒子槍と光波衝角突撃で、57のダメージを与える。

 さらに追加で電磁圧縮弾を放ち、9のダメージ。

 ホバータンクの残りFPは126となる。


 「さて、次の行動はヴァライフ・ザードか」

 「残念やけどまだワシのターンは終わっとらんぜ?」

 「ヒョ?」

 「加護…オーズ!」


 アインヘリアル・アスピドケロンが咆哮する。


 「攻撃はツインアームズで。フィールドイレイサー起動!痛みをチカラに、いくで…!」

 「動くか、アインヘリアル…!」

 「さらに加護、トール!刺し穿てェ!ワシの槍ィ!!!」」


 

 「くっ、避けられない…ぐわああッ!」

 「安心せい、流石に峰打ちならぬ……峰刺しじゃ」


 ホバータンクのFPが0になり、沈黙する。





 「わお、さすがアインヘリアル」

 「……テラネシアのガーディアン、面白い」

 「アレ結構危ないんだよ」


 アスピドケロンの一撃に、他のリンケージ達は感嘆するのだった。




 「リアルドホバータンクの沈黙を確認。ミッション成功だ。よくやってくれた」

 「ふええ、あんまり活躍できなかったのが悔しいですよお…」

 「可哀そうに。お姉さんが慰めてあげようか?」


 期待通りの性能を発揮できず、悔しがるライドフォーンにエフェメラが笑いかける。


 「フィ〜これでテストは終わりかいな?」

 「ああ。カテドラル級は…なんだかお互い不安定なところを見せてしまった気がするが…まあ経験不足ということもあるだろう」

 「なるなる。手加減はせずに、せやかて浄化率のことも考えて抑えめに戦えって言われたときはンな無茶言うなと思ったが………割りかしなんとかなるもんやなぁ」

 「まだできたばかりのガーディアンだからな。試行錯誤は必要だ」

 「これあの世が見える気がするね」

 「まあでも力の一端だけでも見れただけ良しとするわ」

 「報酬はしっかりと振り込ませていただく。あらためて、ありがとう」


 リンケージたちは新たなるガーディアン、カテドラル級の神秘的な力の一端に触れることができた。

 同時に既存のガーディアンの強さも、知ることができた。

 その経験を胸に一歩成長した彼らは、これからも平和を守るために、鍛錬に励むのだった。

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きのこ味のスープ ~カテドラル級ガーディアン試験戦闘~ 江良野 @howther111

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