第4話というか公開4作目 **です、よろしくおねがいします。

こうすると絶対後で大変になると思いつつも妄想が止まりませんでした

もう何話構成になるのかわかりません(ヤケクソ)


今回はペット?的な何かのお話にn


・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・


今回は大大和おおやまと御座おわす偉大なる八百万やおよろずの神、その中の一柱ひとはしらのお話です。












~はじまりはじまり~






吾輩は猫ではない。

由緒正しき大大和おおやまとの国に居る八百万やおよろずの神の一柱ひとはしらである。


だがこの小さき、いや小さかったオス主人公は吾輩の事をまるで“柱もどき”を扱うかの様に昔から「クロ、クロ」と呼んでくる。

神に対しその言い様、全くもって失礼で、本当にけしからんオスである。


しかしこのけしからんオス主人公はどういう訳だか吾輩の心を射抜いてしまった。

本能がこの生き物を守りたいと言っているのである。

仕方ないので生まれたときからずっと世話をしてやってきた。


オスが生まれたばかりの頃は、“格下”共がこのオスに近付けない様に色々と小賢しい事をしてきたが、時には無視して押し通り、時にはおとなしく一歩離れて近くに居る事でその身を守り続けてきた。

そうしているうちに、格下共はようやっと立場を理解したのか吾輩の行動を邪魔する事も少なくなっていった。


それで良い、立場を弁えておれば吾輩も寛大な心で居よう。


そう思っていたある日の事、あのオスが“巣”から旅立とうとしていたので、一体何をしているのかと下々の者たちを叱り付けたが、あのオスの母親と姉が文字通りぼろ雑巾の様になりながらも必死の抵抗で吾輩の事を抑え込んでしまった。

弱き者も時間を掛ければ成長するとは知っているが、これは予想外だった。


加えて、いつも口先ばかり達者な一睨みするだけですぐ逃げる妹はとっくにどこかへ行っていたが、余計な事をしないかとも少し心配であった。


本気で傷付けるつもりは無かったのだが、あのオスが巣の外へ出るのはどう考えても良い事ではない。

流石に巣に居る格下共を殺しはしないが、今回ばかりはそれなりに痛めつける必要があるかと考え始めた頃、あのオスが駆け寄ってきた。

あの口ばかりの妹め、よりにもよってオスへ助けを求めたらしい。


オスは「けんかしたらダメっていつも言ってるでしょ!どうしてこんな事しちゃったの!?」と本気で怒り、そして悲しむように話しかけてきた。


その言葉に思わず吾輩も返す言葉無くなり黙ってしまったのだが、このオスは続けてこう言った。

「ぼくはずっとここで守られているだけじゃ無くて、色んな所に行ってみたいし、色んな人と会ってみたいんだ。クロはただご飯を食べて寝て起きてを繰り返すだけの僕の方が良い?その方が好きなの?」と。


薄々思ってはいたが、認めたく無い事実を突きつけられてしまった。

生き物が成長するには経験が必要だ。

当然この弱い生き物たちにもそれは言える事で、巣から出て一人で新しい巣を作れるようにならねばならない。

だが吾輩はこのオスを大切にするがあまり、その事実からずっと目を背けてしまっていた。


良くない事だった。

それは分かっていた。

だけど自分のそばから離れて欲しくなかった。

その一心が自分の目をずっと曇らせていた。


改めて言われた事から吾輩は決心をした。

ならばせめて新たな“巣”を作れるようになるまで、このオスと共に生き、危険から身を守ってやろうと。


考え方を切り替え、体の力を抜いた事で“格下”の二人もどうやら安心したらしい。

両名共に吾輩を拘束していた力を抜いてきたので、その隙を付いて目の前のオスに飛びついた。


「うわ! も~クロは本当に甘えん坊だなぁ」


呆れる様に、そして少しうれしそうに、このオスは言うが全くとんだ勘違いである。

吾輩の所有物である事をわからせるために匂いを付けているだけなのだ。

幾多の神の中にあるただの一柱とは言え、吾輩に向かって全くもって不遜な態度、本当にけしからん。


ともかく、吾輩は改めてこのオスと暫くの間、時間を共にする事とした。


新しい巣はずいぶん小さく、格下の者たちも少なかったが、それでもこのオスと居られるだけで十分満足だった。

たまに巣の外へ出て走り回ると良い気分転換になるので、オスの目を盗んでは外へ“見回り”に出ていたらどうやらそれが気に食わなかったらしく、「外に出る時は僕と一緒じゃないとダメ!」と言われてしまった。

全く世話の焼けるオスである。


おまけにまるで遥かに格下の“柱もどき”たちが付けている様な首輪をさせられる羽目になってしまった。

加えて、ただでさえ狭い“巣”に柵が設けられ、ますます狭くなってしまった。

最初は不満で仕方なく、これをどかすようにと何度も言って聞かせたが、そのたびにオスは「ごめんね」「でもこれを付けないと一緒に住めないんだ、なるべく遊んであげるからいい子にして?ね?」と言って来た。


そんなに構って欲しかったのか、愛い奴め。

狭苦しくて仕方ないが、止むを得まい。

弱き者の相手をしてやり、望みを叶えてやるのも上に立つ者の役目である。


結果、オスが巣を離れて帰って来ては吾輩が相手をしてやる日々が続く事となり、それがだんだんと当たり前の毎日になっていった。


だがある日現れた“あのメス”が全てを変えてしまった。




近頃は成長してよりオスらしくなったオスが巣に居る事も増え、吾輩が相手をしてやる事でだいぶ精神的にも成長したようだ。

良い傾向である。

これなら幾多の羽虫が飛び交う弱き者の世界でも思うがままに生きていける様になる日も遠くないだろう。

そんな事を考え床に就き、新たな朝を迎えようとしていた日の事。


何かの違和感にふと気が付き目が覚めた。

知らない匂いがする事にも気が付いた。


思考よりも体の反応が早く、オスの居るであろう方を向くといつもオスが水浴びをするのに使っている場所の“壁が開いて”いた。


曲者の侵入に吾輩は何故気付かなかった!?


そう驚く暇もなく、オスの悲鳴が聞こえてきた。











~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ネコチャンかわいいですよね。うちは精密機器を扱っているのでペットの飼育が出来ません。なのでいつもネットで見ているだけの悲しい人生です。バイクで遠出した時に休憩中、ヨチヨチと寄って来たかわいい黒猫チャンとの少ない思い出を胸に秘めて生き続けています。いつか分厚い木のデスクの上で寝るロングヘアのネコチャンをストライプのスーツを着てキメつつ葉巻を咥えながら(ネコチャンの健康に良くなさそうなので火は付けず咥えるだけ)撫でるお仕事に就きたいです。


作中の**チャン?は撫でようと手を伸ばすだけでも手首ごと消し飛ばされそうですので、僕(作者)は500m位離れた所から双眼鏡で観察するだけで良いです。むしろそれでも危ない気がするので画面越しが良いです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

貞操逆転&男性希少世界に生まれた主人公の各種短編 抑止丸結子 @pixpix1123

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ