君がくれた愛。
Asahi-Yuhi
永遠に...俺は...
僕─
僕の前でおねだりしてよ。
僕が虐めてあげるから。
「ねえ、どうしたい?」
あーあ。
顔が真っ赤だよ。
苺みたい。
食べちゃいたいな。
でも、それに気づかないふりをしようかな。
「言ってみて?」
「りょ、う、のバカぁ」
「え~、俺はバカじゃないよ?何をして欲しいか言って(say)?」
こういうところも好きだけどね?
コマンドがもっと欲しいのかな。
君は苛めてほしそうな顔をしている。
だから、あえて苛めないことにする。
「早くっ、コマンド、ちょう、だい?」
「おねだり、上手(good boy)だね」
俺の言葉に君は嬉しそう。
それが愛おしい。
苛められるときの方がかわいいと思ってしまう。
歪んだ俺の愛を受け止められるのは、君だけだから。
練習で仮のパートナーになった日に、君が俺を落としたんだ。
だから、今度は君が俺に堕ちる番。
──そろそろ堕ちて。
『ねぇ、俺を見て(Look)』
こんなコマンドに簡単に君は騙される。
俺の目を見て離れない。
「へへっ。椋のコマンドだぁ」
君は嬉しそうに俺を欲しがる。
君から目がそらせなくなる。
俺が次のコマンドを出そうとした瞬間。
「終了です」
教師の声が邪魔してきた。
そっか、授業中だったのか。
そんなことを思い、ため息を吐く。
「じゃあ、また今度ね」
「うん」
君がもの足りなさそうに見つめているけど、俺は動けない。
「いいこ(good boy)」
コマンドが解けて、君は名残惜しそうにも教室を出た。
この学校に来たことに後悔はないけど、やっぱり物足りない。
この学校は、DomやSubで普通より強い人。
まぁ、ここでは性欲が強いっていう意味になるだろうが。
なぜか遠回しに書いている学校だ。
でも、ちゃんとここにはBランク以上じゃないと入れないという規則はある。
俺の弟はFランクのDomで底辺だから、入れない。
俺はもちろんSSランク。
俺に反抗しないやつだから。
虹はSランクだったかな。
虹とは、相性が良さ過ぎて怖いくらい。
「椋、そろそろ次の教室に移って下さい」
教師が何か言っているけど、俺は虹以外と
今の時間は、抑えきれない本能を抑えるために必要なplayの練習をする時間。
俺は、虹以外とplayする気はないから。
相手のSubは別に相手が俺な時点で察しているだろう。
普通の授業の時間までそこら辺で時間を潰そうかな。
そう思って、教室を出る。
どこに行こうか。
そう思って階段を下りようとすると、階段に虹がいた。
「どうしたの?虹。お前もサボり?」
そう優しく声をかける。
この子を抱き締めたい。
そんな俺の気持ちを見透かしたように君は煽ってくる。
「ん。椋以外とのplayは好きじゃないから」
この小悪魔は俺をどうする気なのだろう。
「じゃあ、俺とホテルでplayする?次の授業まで三時間あるでしょ」
俺は、調子に乗る。
次の授業までの三時間というのは、それまで一時間ごとに誰かとplayする時間なだけ。
別に俺がさぼってもいつものことだし、先生も相手の
ホテルだったら、
「う、うん」
躊躇いながらも俺を捕らえる瞳に俺は心まで見透かされた気分になる。
「じゃあ、行こ?」
そう言いながら、虹の手を引っ張る。
「あっ、、ん」
君は真っ赤になって、小さく返事をした。
ーー
「どこに欲しいの?見せて(Present)」
俺は君の欲しがる顔が好き。
いじめられているのに幸福感を感じるような君の顔がかわいい。
「ここぉ」
君が俺を欲しがる。
それがかわいい。
「は~い」
君に甘い声で話しかける。
そして君の耳元に口を寄せる。
「どこにキス(kiss)したいの?」
君の耳元で俺は強請る。
「ん。...ここ」
君が自分の口を指さして、俺の首に手を回す。
俺も君の肩の近くに腕を置く。
そして、君の頭を抱えて、君の唇に俺のそれを乗っける。
「かわい~」
俺は吐息交じりに君に言う。
「ふわぁあ」
君はとろけたような表情で俺の舌に君のそれを絡ませていく。
俺もそれに誘われて、小さく君へ呟く。
「Cum」
君はそれに応じるように俺にしがみつく。
ーー
「そろそろ堕ちてよ」
眠ってしまった君の髪を撫でながら、俺は呟く。
「んぅ、へへっ、りょ~くん、もっとぉ」
寝言か。
──かわいいな。
俺は君に引き寄せられて、君の口に俺の唇を重ねた。
君はそれに気づいたのか、無自覚か、俺が唇を離して少ししたら目を開けた。
「虹...」
「ん、りょ~くんだぁ」
君は俺の言葉に眠そうな声でふわふわしゃべりながら、俺に抱き着いてくる。
俺は君を抱きしめて、君の耳元で言う。
「どうしたの?甘えてるの?」
君は俺にすがるようにほっぺを摺り寄せて言った。
「ん、大好きぃ」
──は?
なんて言った?
寝ぼけている、だけか?
「どういう意味で?」
俺は平常心を保とうと声を出す。
君を抱きしめていると、俺の心臓音が君に聞こえてしまいそうだ。
「あえっ、パートナーになりたいってこと!」
君は恥ずかしそうに顔を俺の胸に埋めながら、耳が真っ赤になっている。
俺は夢の中かドッキリか。
それしか疑えない。
「なんで?」
発する声が震える。
君の答えが怖い。
こんなに怯えるなんて、俺自身が芯から叫んでいる。
「椋くんが、好きだから」
君は俺の瞳を捉えて離さない。
君の真っ赤なその顔にそそられて、こんな状況なのに安心したのもあって、君に意地悪したくなる。
「俺も、好きだよ。虹を一生、大切にする」
君が俺に誓った言葉に君は俺を力強く抱きしめる。
俺もそれにこたえるように君を精一杯抱きしめる。
「椋くんっ、大好きっ」
「うん...。俺も」
──君を一生愛してる。
ーー
俺らは、急いで学校に戻って、いつも通りに授業を受ける。
先生に何言われようが、校則でパートナーを作ることが禁止されていようが、俺は俺だし、虹は俺のもの。
なんなら、俺の全てを虹に捧げてもいい。
だから、俺は一生虹をいじめたり、独占したりする。
でも、俺は俺だから。
ーー
付き合って、一年の経った今日。
「りょ~くん、はい、チョコレート」
君が俺の要望通りメイド服を着て、照れながらもかわいく俺に虹の手作りのチョコレートを渡す。
「ありがと。大好き」
俺は君の耳元で甘くささやく。
それに君はとろけるような瞳で上目遣いで見つめてくる。
俺は、
さて、次のお返しは何にしようかな。
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君がくれた愛。 Asahi-Yuhi @asahi_yuhi
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