意思や記憶を持つから人間なのか、人間の体を持っているから人間なのか。

 この作品は壊れたアンドロイドの記憶――いや、データを消し、回収する掃除人が主人公のお話です。
 この作品に出てくるアンドロイドは家族と過ごしたデータを消されたくないと掃除人へ抵抗し、死にたくないと叫びながらも主人公からアンドロイドは元々生きていない! ただの工業製品だろう! と言われて絶望しながら死んでいく悲しい存在です。

 私はアンドロイドの命乞いを無視して無慈悲に記憶を消す主人公の方がまるでロボットのようだと思いました。
 意思や記憶を持つから人間なのか、人間の体を持っているから人間なのか。そんなことをことを考えさせられる作品です。