12.深淵編(4)

12-0.登場人物紹介 深淵編(4)

ギンフウが大事にしているセイラン(エルト)をうっかりお持ち帰りしてしまったフィリア。

カフウ(ナニ)の見立てによると、ふたりはとても魔力相性がよいそうです。

その結果、フィリアはセイラン(エルト)の悲惨な過去(『エレッツハイム城の悪夢』での出来事)を悪夢という形で共有してしまいました。

安らかな眠りを願って子守唄を合唱したふたりは、想いが強すぎたせいで、ぐっすり一週間も爆睡してしまいました。

一週間も無断外泊したセイランに、ギンフウは激オコです。

また、一週間も魔力相性がよい者同士が添い寝をした結果、フィリアのステータスが爆上がりして、冒険者カードが文字化けを起こすくらいになってしまいました。

ぐうぐう眠っていただけであっさり限界突破して強くなってしまったフィリアですが、その弊害として、魔力漏洩が止まりません。

このままではフィリアの生命が危ない、ということで、ルースギルド長はフィリアをギンフウの手にゆだねることにしました。


フィリアとギンフウ、いよいよ対面です!


登場人物紹介です。


ネタバレというほどではありませんが、必要ない、見たくないという方は、ハートを押して次のページへGO!

(微妙に内容が変わっています。その違いがわかるかな?)


**********


『エレッツハイム城の悪夢』

五年前に帝国中を震撼させた虐殺事件。第十三騎士団もそれに巻き込まれ、全滅の狼煙をあげることとなった。


『第十三騎士団』

帝国が誇る十三番目の騎士団。

帝国の上層部しかその存在を知らず、組織の全容は皇帝と第一騎士団のみしか知らない幻の騎士団。

皇帝の命のみでしか動かない――皇帝直属の暗部組織――で、諜報・暗殺・工作・秘密裏の護衛など、第一騎士団では表立ってできないことをやっていたが『エレッツハイム城の悪夢』で全滅、解散となる。

(注:ここでの全滅は、全員ことごとく死亡ではなく、組織の存続不可能なダメージを負ったという意味です。生き残りもいます)


『深淵』

行き場を失った第十三騎士団や『エレッツハイム城の悪夢』の生存者などで結集された闇ギルド。組織の人員は『影』と称し、冒険者ギルド、出版業界など様々な組織に潜し、力を蓄えている途中。帝都の深い場所に存在している。目立った活動はまだしたくなかったのだが……。




【『深淵』のメンバー】

▶ギンフウ

『深淵』の長(ボス)。隻眼の美丈夫。皇帝ととある取り引きを行った。子どもたちの保護者。セイランを溺愛している。セイランの無断外泊にブチギレ気味。ちょっと世間一般の常識がないみたい。フィリアの魔力漏洩を治すことができるひと。元第十三騎士団の団長。現在は『深淵』内で引きこもり生活。


[ギンフウの部下たち]

元第十三騎士団に所属していた帝国騎士たち。騎士の位を剥奪されてもなお、ギンフウの部下であることを続けている。


▶コクラン

『酒場』のマダム。妖艶なエルフの女性。精霊使い。『深淵』のナンバー・ツー的な存在。後方支援(情報分析担当)だけあって、情報収集が(悪)趣味。新聞社と出版社(二社)を経営している。


▶リョクラン

『酒場』のバーテンダー。存在感が薄い。祖父が魔族。後方支援(医療担当)。優秀な薬師であり、回復術師でもある。怒らせたら怖い。料理研究家としてレシピ本を執筆している。印税でがっぽがっぽ儲けているらしい。善良そうなヒトに見えるが、実は、色々と画策している。ちびっ子たちがやらかした『激レア薬草採取大事件』に一枚かんでいた。


▶フウエン

実働部隊(現場)のトップ。新人の教育も担当している。現場でなにかあったら責任を追及される気の毒な人。


▶ランフウ(ルース)

元魔法剣士。帝都フォルティアの冒険者ギルドのギルド長として潜伏中。『エレッツハイム城の悪夢』からの帰還の対価は『魔法が使えなくなる』。魔法を使うと深刻なダメージを受け、回復魔法も逆効果。回復薬の効きも悪くなっており、深刻な状況。人手不足に悩んでいる。冒険者ギルド所属のギルド長専属秘書トレスは『犬』として使役中。フィリアを『影』として取り込むつもりで色々と根回ししていた。ヤマセ(フロル)は直属の部下。現場にでていることが多いので、比較的常識人。


▶ヤマセ(フロル)

ランフウ(ルース)の部下。魔法が使えないランフウをサポートしている。帰還の対価は『見極める目』。遠射ができなくなった。比較的常識人で苦労性。ルースの指示でフロルと名乗り、『赤い鳥』のメンバーを観察、ランクアップがスムーズになるよう誘導していた。



【ちびっ子たち】

『エレッツハイム城の悪夢』において、堕ちた神へ生贄として捧げられそうになったところを、第十三騎士団に救われ、保護される。

『影』から英才教育(?)を受けているが、一般常識は教えてもらっていない。なにもかもが規格に収まらない常識外。

冒険者登録のドサクサに紛れてコッソリ新しい身分を手に入れる……はずが、初日でいきなりやらかした。『激レア薬草採取大事件』『モブじゃないゴブリン討伐大事件』は、大人たちを震撼させ、冒険者ギルド長の心身に深いダメージを与えた。

()の中が、『冒険者としての』偽りの呼び名。



▶セイラン(エルト)

黒髪の男の子。八歳。虚弱だけど最強にして、愛されまくりのお姫様ポジション。フィリアとの魔力相性がものすごくよかったことから、カフウ(ナニ)の判断で、ひとりだけおいてけぼりをくらい、フィリアにお持ち帰りされた。フィリアのお部屋で入浴の楽しさに目覚めた模様。『羊さん』の子守唄をフィリアと合唱したら、一週間も昏睡してしまった。


▶ハヤテ(リオーネ)

赤髪の少年。リーダー格。十歳。セイラン(エルト)がフィリアになついたのが気に入らない。


▶カフウ(ナニ)

ハーフエルフの少女。十歳。魔道具が大好き。時々、変なことを口走るのは、コクランの出版社が刊行している『ラ・ブーロ・マンス文庫』で勉強しているから。



【『赤い鳥』のメンバー】

帝都を拠点に活躍している五人組の冒険者パーティー。フィリア意外のメンバー四人は、超級冒険者になるための研修を受けているが、初日の研修を二日酔いですっぽかすということをやらかした結果、補講だらけでなかなか研修が修了しない。


▶フィリア

魔法剣士。超級冒険者。『赤い鳥』のリーダー。十九歳。別名『貧乏くじパーティーのリーダー』。孤児院出身で、子どもの扱いが上手い。セイラン(エルト)に気に入られ、不幸にもお持ち帰りしてしまい、一週間爆睡してしまう。不可抗力ともいえなくもないが、ギンフウの怒りを買ってしまった模様。セイラン(エルト)との魔力相性は抜群。セイラン(エルト)の悲惨な過去を夢で視てしまい、彼の行く末を憂いて、力になりたいと思うようになった。やる気とステータスと魔力が爆上がりしてしまった。


▶フロル

斥候。(仮)超級冒険者。パーティー内では最年長者。花街の人気者。交渉役にして良識人。『深淵』のヤマセだった。



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