二という数字が表すものごとの複雑さについて

二、という数字は

〇、と、一、という、万物を示すことのできるだけの

世界観を獲得した状態で、

では、それはいったいなんなのか?と

問われ続け問いかけ続け、それを記述していくための

ペンを持ったあなたである。


二項対立という概念がここでわかりやすく見えてくる。


たとえば、〇を偽、一を真として、真偽を問われている。

真とは何か、そして真が定義されるなら偽も定義されるのであり、

その二項は、重複する可能性があるのかないのかが問われ、

あなたはつぎつぎと疑問に答えを与えんがため、

それが真であればいい、

と祈りながら記述を続けるのだ。

答えがなかなか得られないことは、

「真偽を定義しているのが自分自身である」という性質が

世界に備わっていることによる。


二項対立は、その境界面をグラデーションで持っており、

きっぱりと「こっちがこうであっちがああである」と示すことができない。

二つのオブジェクトを秤にかけ左右釣り合わせるためには

何某かのパラメータ調整が必要になる。

パラメータは二項の真偽の価値を決定している、

あなた、および並行して存在するあなたと似て異なる個の集団、

その中の個それぞれに異なる値を持つため、

真偽を問われている側の思う真偽と、個々の考える真偽が一致するかどうかを

可視化してソートすれば境界面はグラデーションとなる。


そのように世界はできており、その理由は

ロマネスコという植物があのような生態であの形状である理由などを調べれば

もしかして見えてくる類のものかもしれない。


さらに、

〇、一、二、と数が出揃ったことで

項目数は三となる。

これは三という、安定・豊穣を示す数が次に続くことを示していて、

あなたがもし不安に苛まれても、

まずは二項対立のどこに立っているかを自問することで

安定をとりもどすことができる未来が、確かに存在するのだ、という

安心を、我々に与えてくれる。

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五という数字は ぬまた侑 @num60g

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