第4話シンの物語2
朝めざめると、シンの精神的な部分においてある変化が起きていた。まだ、何か確実に掴め 切ったわけではないけれど、自分らしく、自分の中では人間らしい正直な生き方をしたくなっ た。 それは一言でなんなのか、などと今のシンからすると答えれそうもないことではあるが、 《いい》企業を辞めるという決断をする事は、彼の中では明確ではあったし、その決断はより 一層に、彼を明晰な人間へと変貌させるように、彼自身直感的に感じていた。 何よりも、彼はしばらくは直感というものはあまり信じてなどおらず、大きな決断をする時 は何かしらの情報か、誰かのアドバイスに従いきった傾向が彼の今までの生き方として、目立 ってはいたのであった。
そして、彼は無職なり、旅をした。 アジア、メキシコ、ヨーロッパ、さまざまな場所へと行った。 身体と貯金は細くなっていくのに、心は太くなっていっているようにみえた。 さらには、ながらくは溢れることなどなかった。自然な笑顔をすらした。 その姿はどことなく、風呂場に映し出される少年に似ていた。
あなたが覚醒する物語 @hikarukawa61
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。あなたが覚醒する物語の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます