第35話 三日目② ~プランテーション・カレー・海鮮~
天然ゴムは東南アジアが世界最大の生産地だ。最も一般的なパラゴムノキは元々アマゾン原産だったのが二十世紀初頭に南米で猛威を振るった葉枯病に
ゴムと聞いて
ゴムの木と並んで多く見られるのはパーム椰子で、こちらもきちんと縦横が揃った様子で直ぐプランテーションと判る。
樹々の間を裸に近い恰好で無邪気に遊ぶ子供たちの姿は、微笑ましくも何処か考えさせられる。無論、彼らを憐れと観ずること自体が傲慢の為せる
樹々の列ぶ間に牛の群れが
その日
「本格インドカレーよ」
と自信ありげな笑みで返した。
成る程本格的ではあるらしい。と云うのも、皿の代わりに
葉の皿となれば当然のように、スプーンを使わず手で食べる。手で食べることに関してはインド人だけでなく、マレー人も同様だ。見ていると彼らは実に器用に指を使って食事する。スープ状の
彼らに倣って指で食べてみたが直ぐに無理だと諦めた。
本格インドカレーとの評は正当だった。
飲み物はマンゴーラッシーである。カレーに副えられてみると激甘のラッシーとカレーの組合せは必然だと分かる。一口だとたいして辛さを感じないカレーも、辛さの波状攻撃に口腔が痺れてきている。中和するのに水では足りないのだ。
香辛料の発汗作用は
遅めの昼食を済ませた後はホテルに入り、暫く
夕食は漁村の海鮮料理だ。
生け簀には伊勢海老ほどもある
茹でられた蟹は命を失ったあとでも堅い甲羅に守られ、むざむざ食用に供されてなるものかと抗う。そこで渡されたのが木槌だ。木槌で叩いて殻を割り身を出すのである。薄く塩味が振ってあるが醤油をつけるとより旨い。刻んだ青唐辛子を混ぜた醤油はピリ辛だ。
靭は脂たっぷりの白身を蒸したもの。華人のコラーゲン好きは此処でも健在だ。
巻貝は
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