最終話 光と闇の花嫁

 無事に完結できました。沢山の応援、誠にありがとうございます(^-^ゞ



      【エピローグ】



 『アレ』から一夜明け……俺は『昼前』にやっと目が覚めた。夜通し盛り上がり・・・・・、明け方に三人揃って力尽きた。

 俺の両脇にはレティシアとアリシアが腕枕され、安らかな寝息を立てていた。二人とも俺の『息子』を握って離さないし。


「……流石にそろそろ起きるか」


 俺は腰を擦りながら、なんとか起き上がった。



 ◇ ◇ ◇


 遅めの朝食(ほぼ昼飯だが)食堂には、俺たちの他に女王と王配(元国王)もいた。なんか気まずいな……レティシアも、ずっとモジモジしてるし。


「レティシア」

「……ひゃい!?」


 女王に呼ばれ、思いっきりキョドるレティシア。明白あからさまな反応だ。


「その様子だと、無事に・・・済んだみたいね? おめでとう」

「うぅ……ありがとうございます」


 レティシアは湯気が出るくらい、顔を真っ赤にした。


「いいわね、レティシアは。祝ってくれる『家族』がいて」

「アリシア、貴女はもう『家族』よ。まだ整理がつかないのも分かるけど」


 確かにわだかまりがなくなるのは、時間が掛かるな。


「これぞ両手に花じゃのう。タクミ殿が羨まし……ごぎゃ!?」

「ん? 私じゃ不満だって言いたいの?」


 王配の首があらぬ方向に! 女王陛下、怖っっ((( ;゜Д゜)))


「コホン……さて、タクミよ。ようやく城の再建も終わり、あなた達の正式な『婚約の儀』の日程が決まりました」


 婚約……俺とレティシア、そして『特例』でアリシアもだ。流石に俺も緊張した。


「婚約の儀が終われば、あなたは名実ともに『王族』となるでしょう。あなたに『王位』を譲ってもいいのですが、どうしますか?」


 俺は真っ直ぐ女王を直視し、自分の『正直』な考えを述べた。


「女王陛下、私めに大役をご信託いただきありがとうございます。ですが、私めに治める国があるとすれば、それは自らの手で『創って』いこうと思う所存です」


 これに女王は、満足そうに頷いた。


「あなたなら、そう言うと思ってました。それを成し遂げる実力もあるでしょう。タクミよ、今後も良きに計らえ」


 ふぅ……女王なら、分かってくれると思った。まぁその方が、俺も動きやすいしな。



 ◇ ◇ ◇


 そして、いよいよ『婚約』の日が訪れた。この日までレティシアとアリシアは、毎晩俺の部屋に通った。俺も寝不足と腰痛ぎみであるΣ(ノд<)


 王国で一際ひときわ目立つ大聖堂。パレードの日みたいに、大勢の人が押し寄せた。


 正装に身を包んだ俺は、静かに『二人』が来るのを待った。そして、ゆっくりと開く扉。俺は振り返って、びっくりした。


 なんとそこには、女王に引率された二人の『花嫁』がいるではないか! えっと……『婚約』じゃなかったの??



 純白のウェディングドレスのレティシア。

 漆黒のウェディングドレスのアリシア。



 二人はウェディングロードを歩み、女王から俺にバトンタッチした。指輪も婚約から『結婚指輪』に代わっていた。



「タクミ……私はいま、世界一幸せよ」

「ええ。あなたは、世界一の旦那様だもの」



「レティシア……アリシア……」



 俺はウェディングベールを開け、“誓いのキス”をした。地上、異界、そして異世界と前代未聞の結婚式だ。


 俺は両隣の『光と闇の花嫁』と腕を組み、歩み出す。これまでと……これからだ。

 扉が開くと、大勢の人たちが割れんばかりの拍手と温かい声援で、俺たちの門出を祝ってくれた。



 俺は瀬名 拓海。異世界召還に巻き込まれた、元底辺作家だ。俺には生涯、手離さなかったものがある。長年、ネタを書き留めた『手帳』だ。


 なんの役にも立たないと思っていたが、まさかこれに助けられるとは。これからも『創作』と共に歩んでいこう。俺には、まだまだ『やらなければならないこと』がある。


 俺と共に歩んでくれる花嫁。これから生まれてくる『子どもたち』が、笑顔で過ごせる時代を『創る』為にもな!



 ◇ ◇ ◇


 かくて瀬名 拓海は、ここヴァンクリーフの『英雄』となる。だが、その後彼らの姿を見た者はいない。一説では『異界統一』に赴いたとか。


 帰還した彼らは今度は大陸を飛び出し、広い世界へと旅立った。まだまだ世界各地では、人間と魔族の小競り合いが続いている。


 『全て』を終えた拓海は、世界の中心に新たな国家くにを興した。その名も『タクミ・キングダム』

 城には彼の歴代の側室の絵画、中央には彼に生涯寄り添った『正妻』の巨大な壁画。


 その中心に彼の像が、存在感を示していた。人間と魔族、両者和平への『指導者』として。

 彼が記した軌跡は、未来永劫に後世に語り継がれるのであった。



 ◆ ◆ ◆


「ねーねーお婆ちゃん。『お話』の続きを読んで~」

「はいはい、本当にこのお話が好きだねぇ」


「うん、大好き! ねぇお婆ちゃん、人間と魔族って大昔は戦ってたんでしょ?」

「難しいことを聞くねぇ……そうだよ。お婆ちゃんが子どもの頃は、仲良くなかったねぇ」


「なんだか信じられないなぁ。今日ね、魔族の子とお友だちになれたんだ!」

「そりゃ良かったねぇ。私たちの『偉大なご先祖様』に感謝しなきゃね」


「やっぱり凄かったの? ご先祖様」


「そうだよ。『遠い国』から来て、人間と魔族の『統一国家』を創ってくださったのさ。その生涯を掛けて、両者の平和に尽力してくださった。まさに『神の使い』さ」


「そうなんだぁ。ご先祖様、ありがとうございます。明日、友だちに聞かせるから、早く早くぅ」

「はいよ。ご先祖様が遺した書物、長いから途中で寝るんじゃないよ」



【異世界転移した俺は定番通り無双して、最速で最強となり嫁と共に王国を築く】


                 ――Fin.



 ◆ ◆ ◆


 お疲れさまでした。最後まで読んでくださった方々、ありがとうございます(^o^ゞ


 ↓もよろしくお願いします(^-^ゞ


https://kakuyomu.jp/works/16817330668742460319

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【完結】異世界転移した俺は定番通り無双して、最速で最強となり嫁と共に王国を築く たくミン☆ @takumin1110

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