完結お疲れ様です。おめでとうございます。
今回の作品はとにかくすらすらと読めて、こちらとしては「うんうん、それで次は?」と、巣の中でひたすら口を開けて新しいエサを待つひな鳥の気分でした 笑。F-Cityが陸戦隊の侵攻を受けた後は、いったん小康状態になって話を区切り直すのかな、と思ったら、すぐさま首都に飛ぶ展開になって、うわ、これは立ち止まる気なんてないんだなと驚いたものでした。それでいて、バタついた展開に読み疲れたりすることもなかったのですから、まあどこまで意識しておられたのかはともかく、連載ものとしての話の引っ張り方がお見事です。
とはいえ、道中「あれ?」と思ったことがないわけではなくて、一話ずつ追いかけている分には一応読み流せたんですが、改めて見返すとストーリーのポイントが前半と後半で微妙にシフトしている気がします。つまり、中央-地方の格差や権力-反権力の相克から、人間と人工知性との対決、という。
むろん、根底ではこの二つの問題は同根とも言えるのですが、そこを一つのストーリーにくくってしまうには、何かもう一つ二つ、キャラなりエピソードなりが望まれたのではないかと。まあ、私が読んで理解できた範囲で考えた結果、ですが。
一つには、島から流れ着いたルカが市長の隠れ後継者になるまでの経緯がすっぽり抜けているというのが、後から見ると何か足りないようにも思えますね。話を省略してうまく時間を進めたにしては、いささか強引と言うか。
当座のヒーローだと思われていた浜口があっさり退場して、そこからいきなりルカが市長に大抜擢、しかもこの人は実はプロローグの時のあの子、みたいな衝撃の真実つき w。ドラマとしては楽しめたんですけれど、テンプレ的にはその時点で何らかの回想話が入りそうなもので、私自身もそれを一応期待しました。が、そのあたりの情報はなんだか最低限で、気になっていたオヤジの行方とか幼なじみのその後にもつながる空気がないまま、別の方向で話が佳境に入ってしまい、伏線回収ができたのはほぼ最終回……というのは、まあ不満と言うほどでもないんですけれど、何かもう少しなんとかならんかったのかな、という気はしますね。二十年近くも島の状態や人々が昔のまま、というのも、やや都合が良すぎるような気もしますし。
とはいえ、話が複層的になるのを徹底的に避けた結果、今回の読みやすさとか、ほぼ一人称視点でのサスペンスフルな行き詰まる展開、というものにつながったのは事実です。やはり、若い女性主人公の、自分探しを絡めた冒険譚、というのは、おっさんばかりの100パーの謀略小説よりはいいもんですし。最終話のオチもあれでいいと思います ^^。ただ、「ルカの物語」でまとめきるためには、何かが足りないか、もしくは余計、という印象が残りますかね。
例によってネガティブなコメントをはさみましたけれど、総合的には美点が不満点をおおむね補った、という読後感でしたので、星は三つということで。ご参考になりましたら幸いです。三ヶ月近く、毎日楽しく読み継がせていただきました。ありがとうございました。
作者からの返信
コメント、ありがとうございます。
ご指摘、ごもっともです。この物語、当初は〝島〟はなく、瑠々香も存在しませんでした。詳細は語りませんが、ガザの問題があって、人間とヒューマノイドの関係性に、人間対人間の上下関係をからめたので、強引な展開が生まれました。でも、それなりの変化が面白さを生んだのではないかと感じています。
近々次作も公開したいと思います。
これからも御贔屓に、よろしくお願いします。
こんにちは。
なんとまぁ───ッ!
最後、ボーイが持っていきました。
ボーイは、まっすぐ、ルカさん……瑠々香さんに、好きです、と告白したのでしょうか?
赤坂さん、二階堂少佐、残念でした……。
とくに二階堂少佐をかなり応援していたので、うむむ、私も残念です。
でも、ボーイも応援していたので、ボーイ、おめでとう!!
完結おめでとうございます。
とても面白ろかったです!
作者からの返信
コメント、ありがとうございます。
無事に完結したのですが、これで新世界ができたかどうか、疑問です。
あとはガイアに期待するのみ。
ボーイと瑠々香、どちらから告白したのか、私には分かりません。
いつか、ボーイに尋ねてみたいものです。
完結お疲れ様でした。ねるとん紅鯨団からのあのオチ、私ゃ椅子からコケました笑。
他の方もコメントされていましたが、島を出る決意をした父の覚悟や、流れ着いて一人目覚めた際の悲愴感を思うと、その後の展開にもう少しページを割いても良いのでは、と思いました。
特に、島から来た子供を養子として育てた加賀美の両親の思いや、交流の日々が描かれるとルカのバックボーンに厚みが出るような気がします。
父が碇島に流れ着いていたなら、最後まで登場しなかったのも理解できますが、彼の心情も聞いてみたいです。
ソフィの最期は意外とあっさりしていて、5歳の女の子の真の気持ちも語られなかったのが、少し残念でした。
もちろん、作者としてはすべて織込済みのうえでの完結でしょう。以上は私の私見、大きなおせっかいでございます。すみません。
もし紙で出版される機会があるようでしたら、加筆をご検討されては?
全体として、ほぼ一気読みで楽しませていただきました。
また宜しくお願い致します。
作者からの返信
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
ご意見の通り、養父母との関係や実父と再会時の様子など、書き加えるべきだと思いました。すぐに手を入れるか、今、連載中の作品が終わってからにするのか、悩みどころです。新作の構想などもあるので……。
いずれにしましても、雑賀まで、本当にありがとうございます。<m(__)m>