編集済
こんにちは。
「女神が支える天秤ばかりの上で、強者と弱者、生者と死者、ルカと井上の均衡が回復していく。」
そうですか。そうですか……。
深いですね。
追記。
わかりますよ。
ルカさんは、人を殺してしまった罪を重く感じている。井上を兄弟のように言う、彼の仲間たちに、自分が殺したと懺悔した。殴られるのを覚悟して。
だが、彼らはルカさんを責めず、ルカさんが井上を殺していなかったら、ルカさんが井上によって殺されていたでしょう、と、告げる。
殺される。殺す。
それは運命の天秤の傾き。どちらが死んでいたかはわからないもの。
ゆえに、ルカの自責の念は軽くなる。冷酷な運命の天秤のもとに。
作者からの返信
コメント、ありがとうございます。
意図が伝わるかどうか、不安な部分です。
最後までよろしく、お付き合いください。
毎回引き込まれるように読み続けています。いつもなら適当なタイミングで「読んでますよアピール」代わりに何回かコメントを入れるんですけれど、今回の作品はただひたすらおもしろくて、ことさら無粋な合いの手も入れずにここまで来ました。
このまま最後まで読み続けるつもりでいましたけれど、「階段を下りる兵士の足は、レクイエムのリズムを刻む。哀れな魂は一片の儚い音楽を奏でて細胞の海に溶けていく。」とか、表現がますますとんがってきたようで、「なんか、すごいですね」とひとこと言いたくて書き込みました。
「女神が支える天秤ばかりの上で、強者と弱者、生者と死者、ルカと井上の均衡が回復していく。」 いやもう、神がかってきたような印象があります 笑。場面そのものもいいし、語り方が最高ですね。
あ、せっかくですから一つ聞きたかったことが。この作品、どうも「Nのゆりかご」の延長世界での話にも読めるのですけれど、千坂亮治関連小説としては扱ってないのですよね? 別の世界線という意識で書いてらっしゃいますか? まあ今のところ、核をテーマにした作品群、という感じとは少し違う世界設定にも見えるので、外したのかな、などとも想像しましたが……。
作者からの返信
コメント、ありがとうございます。
ながらくコメントがなかったので、少々案じていましたが、そういうことだったのですね。
レクイエムのくだりはもう少し長かったのですが、少々芝居がかり過ぎたかなと思い、ずいぶん押さえこんで今の表現になりました。
この作品は、当初から千坂亮治シリーズとは無縁のところで書いています。地下に核廃棄物があるという設定は、私が福島県に住んでいるからと考えていただければ結構です。
福島原発のリアル核廃棄物、将来的にも福島から持ち出されることはないだろうと推測しています。その際、どうした保管管理方法があるかと考えた結果が、この小説や『Nのゆりかご』にある地下施設です。
ちなみに新世界計画のF-Cityは、今の南相馬市周辺を想定しています。
個人としての判断のスイッチをoffにしなければ、戦争という状況下で人を殺めることはできません。
しかし一旦そうなると、今度は人は感情や倫理を放棄し、戦争の名のもとにどんな残虐な行為もできてしまうようになります。
兵士ではない彼女もまた、否応なくその輪の中に巻き込まれていく。
本作は過去や未来の物語ではなく、いまもこの世界で起こっている現実を描いているのだと思って、戦慄しつつ読んでいます。
作者からの返信
コメント、ありがとうございます。
政府に反抗して人々が閉じ込められた夢島と錨島、それは中東のあの地域をモデルにしています。100年ちかく解決できないあの地域紛争、日本人として身近に想像できる物語があるとしたなら、こんな物語なのではないかと思うのです。
最後まで、よろしくお付き合いください。