第8話 冒険者ギルド

周りから白い目で見られながらも、何とかギルド前まで着くことが出来た。

「そうだ、聞き忘れたんだが、名前、なんて言うんだ?」

「ね、ネクシアです...」

「ネクシアね、改めてよろしくな。」

「は、はい...」

やっぱりまだ警戒しているのだろう。

時間をかけて少しづつ解いてくれるとありがたいのだが。

「あと、この先は少し危険かもしれないから、手をちょっとだけ握っててくれるか?」

こういうところは屈強な男がわんさかいるのを見たことがある。

「わ、わかりました...」

ぎゅっと握られる。

握られたことを確認すると、ギィィと音を立ててドアを開けた。

中に屈強な男は...いなかった。

変わりに少し日本の居酒屋に似た感じだった。

「なあ、ちょっといいか?」

カウンターにいる受付嬢に話しかける。

「どうされました?」

「冒険者登録を受けたいのだが。」

「冒険者登録ですね、ステータスカードの提示が必要になりますけど大丈夫ですか?」

大丈夫じゃない。今のステータスカードは少し平均より下に偽造しているのだ。

少し上げないといけないか...

「どうされました?」

「ああ、なんでもない、少し考え事をな。」

そう言って偽造したステータスカードを渡す。

「レイさんですね。ステータスは...はい、OKです。」

「これで登録完了ですので、先にカードお渡ししますね」

「そして、これが冒険者の証のカードとなります。」

「このカードを持っていると、城門前の門番に見せますとスムーズに通ることができますし、クエストなども受けることが出来ます。」

「基本的にランクはFからで、Sが最高ランクとなっています。ランク昇格試験というものもありますので、ある程度実力が着いてきたと思った時に挑戦してみてください。」

「次にクエストについてです」

「クエストはランクによって分かれていて、ランクが低い程安全なクエストが多いです。その代わりクエスト達成時の報酬もランクによって違いますので、注意してください。」

「クエスト内容については、その掲示板に色々貼ってありますので、確認してみてください」

なるほど、ここまで丁寧に教えてくれると助かるな。

「ありがとう。で、もう1つ聞きたいことがあるのだが」

「はい、なんでしょうか?」

「ここのギルドは買取をしているのか?」

「買取もできますよ。ただ、あまりにランクが高い魔物の素材とかだと、ギルドマスターと相談しながら決めることになります。」

なるほどな。今度は力の調節をして素材を持って帰るようにするか。

「ありがとう、もう大丈夫だ。」

感謝を伝えてから、ネクシアに聞いてみる。

「一つだけクエストを受けたいんだが、大丈夫か?」

「あまり危なくなければ、大丈夫です...」

「分かった。」

Fランクのクエストだから、あまり危険なものは貼られてないだろう。

そう思いながら、ネクシアと一緒に掲示板へと向かった。

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クラスでいじめられっ子の陰キャ、転移先の異世界でチート能力を使って無双する にと @Nitonano

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