第2話 改善できるの?
前述したものを読めばなんとなくわかると思いますが、編集者の仕事量って、膨大です。
下手なスポーツよりよほどハード。記憶力・想起力・知識・審美眼・読書量・国語力・体力・コミュニケーション能力など、様々な技能が必要。
なので、いつも人材不足に悩まされています。一人の編集者が担当する作家の数は、大体10人から20人。
上記の作業を10人分以上行う、と言えば、何となく過酷さが伝わるかと思います。
でもこれ、作家側からしたら『見えない』ものばかりなんですよね。
作家としては、目の前の原稿に集中することがほとんどなので、編集者の苦労とか葛藤はわかりません。
なので、ある程度は作家が情報を仕入れないと理解できないことばかり。
『普通の会社なら厳罰ものだろ!』という気持ちも湧く。
でも『普通じゃない』のでまあそりゃそうなるよな、としか言えません。
あとはまあ……『編集者に対するイメージ』もあるかと。
私の場合、編集者のことを知らない頃、なんとなく漫画の『バクマン』の編集者を思い浮かべていたんですよ。
特には服部さん。たらこ唇の。
ちょっと冷徹な部分はあるけど、作家のために常に最善のアドバイスを与えようと努力してくれる人。内容についても最適に近い助言をくれる。
みたいなイメージはありました。
似たイメージを抱いている人は多いのではないかと思います。
でもそもそも、あの作品はフィクションですよね。
それもジャンプ内での話です。
ラノベと漫画は事情は全然違いますし、時代も違います。バクマンの頃はスマホも今ほど影響はありませんでした。ソーシャルゲームも今ほど発展はしていませんし、Vtuberなど競合コンテンツも違う。
背景事情が全然違うので参考にするには危うい。
でも、数少ない編集者を知る資料として、ついイメージに使ってしまいますけど。
◯じゃあ人手不足は変えられるのか?
『人手がなければ増やすべきだろ!』
という意見は出てくると思います。実際にネット上でいくつか散見しました。
でも難しいです。前述した通り、編集者は多彩なスキルが必要になってくる。それを満たせる人は本当に少ない。なので、どうしても少数精鋭になってしまう。
それと編集者は根本的にサラリーマンなので、部署異動があります。ある時期は人がいても、異動が原因でごく少数になったという事態とか。
解決作として『質を落として数を増やす』のは?
そういう手もあるにはあるかもしれませんが、それで出てくる弊害も考えると、簡単には出来ないと思います。
あとはAIの導入でしょうか。
今のところ、AIで編集者の仕事を肩代わり出来る部分は少ないと思います。
『確認』や『依頼』の部分が凄く多いので、正確性に難があるAIでは出来そうだけど出来ない。
次で結論になります。
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