第14話 実際に使ってみる

投稿までかなり期間が空いてしまいすみませんm(_ _)m




「もう魔法も覚えたし、町に戻りませんか?」

「いや、さっきの魔法を実戦で使えるようにちょっとだけ訓練してみよ」


「誰とやるんですか?」

「レイチェルと」

「また私なんですか?」

「さっきまではただ止められてただけだし何もしてないのと一緒でしょ」


 半ば押しきられる形でレイチェルと私は戦闘訓練をやることになった。

「お手柔らかにお願い」

「本気でやっちゃえー」


 2人の全く逆の意見に頭を悩ませながら位置についた。

「行くよ。よーいスタート!」

『発動:光属性魔法 光魔迷彩』

『発動:火属性魔法 火炎』


 魔法の発動はレイチェルの方が一瞬早く、周りの景色に魔法の迷彩で溶け込んだ。

当然私が放った火炎もレイチェルにかすることすら無かった。


「……やばい」

レイチェルは足音を一切立てない。何かしらの手段でレイチェルの場所を探らないとここから下手に動くこともできない。


 まあ、これは新しい魔法を実戦で使えるようにするための訓練だし、使ってみようかな。


『発動:時間魔法 時間停止』

範囲内にレイチェルが居ればこの瞬間に勝ちが確定する。

オリビアさんをギリギリ巻き込まないくらいの反動範囲に設定した。


「これは、私の勝ちでいいですか?」

意識の時間を止められたことで魔法を維持できず、迷彩が解除されたレイチェルが姿を表した。

「デコピンくらいやっといたら?」

「可愛そうなのでやりません」


「こんな短期間でどうして私とお姉ちゃんにここまで実力差がついてしまったんでしょうね」

「ノエルが天才だからだよ。魔法発動の速さ、呑み込みの速さ、魔力量。どれをとっても頭一つ抜けてる」

「エルドラドに勝利するのも時間の問題ですね」

「一通り魔法をマスターしたら自分で魔法を作ってみるのも良いかも知れないよ」

「オリビアさんの魔の祝福みたいにですか?」

「うん。余裕があったらやってみようね」



「時間停止もマスターできたっぽいし、家に帰ろっか」

『発動:空間魔法 テレポート』


「ふぅ、2人ともお疲れ様。今日はもう休んでいいよ」

「今日はずいぶん早いですね」

「疲れたでしょ」

「時間魔法で体の時間を戻せばいくらでも活動できますよ」

「今日は精神削れてないんだね」

「だんだん戦闘にも慣れてきました」


「それにしても時間停止っていう名称ですが、停止と意味合いは変わりませんよね? どうしてそんな名称がついたんですか?」

「魔法の名称はその魔法を初めて編み出した人が自由に決めて良いってことになってるからつけた人の意図は私には分からないかな」


 分からないとレイチェルの質問にオリビアさんは答えたが、その後も家まで歩く間に考え事をしているような仕草を見せた。質問に対して真剣に答えようとしているようだ。


「これは私のか……ん? 爆発音?」

「町の方からでしょうか」

3人で会話をしながら家に入ろうとすると、突然町の方で爆発音が聞こえた。それによって意識がそちらに向いたことで、町の方から魔法発動の気配も感じた。


「戦闘でも起こってるんですかね?」

「見に行きましょう」

「ノエルの新しい魔法の見せ場になるかもね」

「できればこんな見せ場は嫌なんですけどね」





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魔族になった16歳の少女が新たな魔王を目指すようです 冷凍ピザ @HyperMissing

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