第3話 光の団

 サラと俺は国王に深々と頭を下げ謁見の間を後にした。


 「ついて来て下さい。あなたを護衛する傭兵組織光の団を紹介致します。」


 そう言って城を出て街を抜け城門の外に出た。そこにはバラバラの装備をして馬に跨がる50人ほどの男女がいた。その中から中年の男がこちらにやって来た。


 「よぉ救世主殿、話は聞いてるぜ。」


 そう言って笑い、手を差しだしてくる。


 「ソータです。」


 俺はそう言って手を握り返した。


 「俺は団長のクルーゼだ。宜しくな。」


 そう名乗ったクルーゼは渋めの笑顔を見せた。


 「クルーゼ様。近くの町にトロールの集団が向かっているとの情報があります。どうぞソータ様と共に急ぎ向かって下さいませ。」


 サラがクルーゼにそう言うと、クルーゼは団の一人に声をかけ俺の装備を一式用意させた。

 

 「ソータ様。あなたには特別な力があります。どうぞその力でこの王国をお救い下さいましね。」


 サラは再び深々と頭を下げる。そこへ一人の眼鏡の男が近づいて来た。


 「あなたが救世主ソータ様ですね。私は文章記者のマークと言います。あなたの記事を書かせて頂きます。ご活躍期待していますよ。」


 マークは光の団にくっついて活躍を記事にして、様々な町や村に配っているそうだ。


 「よし、トロール退治に向かうぞ。」


 クルーゼの号令で俺は馬に跨がる。乗った事は無かったがすぐに乗りこなせた。数十分馬を走らせると十数体のトロールに出くわした。一匹だけ一際大きく目立つトロールがいた。おそらくボスだろう。


 「よし。散開して取り囲め!町には近づけるな!」


 クルーゼの号令で傭兵達は素早く陣形を整える。


 「救世主殿は俺のそばを離れるな!」


 戦いが始まった。剣や武器を構える音が辺りに響く。トロール一匹に対し4~5名で取り囲んでいたがやや苦戦していた。


 「皆頑張れ!」


俺は思わず大声を出していた。


 

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異世界でアイドルを育てよう 永山満樹 @07038036702

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