第2話 特別なスキル
サラに言われ後をついていく、まるで中世の世界だった。
いったい何が起こってるのか理解が追いつかない。
やがて大きな扉を開き玉座のある部屋に入った。サラは先に国王に何か報告した。国王は頷くとゆっくり俺の方を見た。
「よくぞ来てくれた救世主ソータ殿」
威厳のある声だった。思わず俺は片膝をつく。
「今の状況が分からないのも無理はない。ここにいる魔術師のサラによってそなたにこの世界に来てもらったのだから。」
顔に出ていたのか国王は疑問に答えてくれた。
「この王国は今、音楽を嫌う魔王オルドラリオの侵攻を受け民も兵士も疲弊している。」
国王は少し首を振り、深いため息をついた。
「しかし救世主ソータ殿、そなたには特別な力がある。民の心を癒す歌姫を見つける眼力と、歌姫の力を引き出す応援のスキルを持っている。これはこの世界の誰も持ってはおらぬスキルだ。」
国王が強い眼差しでそう告げる。
「そなたには傭兵組織光の団をつける。世界を旅し、是非とも最高の歌姫を見つけて来てくれ。」
俺はその言葉を聞いてここが異世界で自分に特別な力があることを理解した。
「ソータ様、これをお受け取り下さい。」
魔術師のサラが俺の前に立ち、何か袋を手渡された。ずしりと重い袋にはこの国の通貨らしき物が入っていた。
「国王よりのささやかな贈り物です。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます