第19話 姉は彼女の行動次第で動きます。

 凪side

 「!?」


 愛美は良くわからない表情をする。


「姉上!!」


 真名は怒った表情で言う。


「……真名、悪いが俺の偏見が入っていて申し訳ないんだが」


 凪は無表情で言う。


「俺は黒雛家が反吐が出るほど大嫌いだし関わりたくないんだよ!!」


 凪は無表情で言葉にする。


「姉上、愛美ちゃんは」

「真名、蛙の子は蛙と言う言葉があるだろう」


 凪は真名を見て言う。


「それは決めつけですよ。姉上」 


 真名は怒った表情で凪の瞳を見る。


「……確かにそうかもしれない。だが」


 凪は無表情で愛美を見る。


「愛美ちゃんが黒雛家である限り俺は悠との縁は切っておきたいからな」


 凪は敵意を向けて愛美を見る。


「姉上!!」


 真名は大きい声で凪を見る。


「……そういうわけで愛美ちゃん帰りな」

「いやです!!」


 愛美は真剣な表情で凪の瞳を見る。


「……愛美ちゃんは悠と別れたくないんだよな」


 凪は冷たい声で愛美の瞳を見て言う。


「はい、別れたくないです」


 愛美は真剣な表情で凪の瞳を見返す。


「……悠が別れて欲しいと伝えた時点で無理だと思わないのか」


 凪は無表情で愛美に言う。


「無理かも知れない……」


 愛美は真剣な表情になる。


「だけど、悠に会って別れた理由を聞いてから私は別れるか別れないかを決めたい!!」


 愛美は凪の瞳を覗きこむ。


「だから、お願いします。悠君に会わせてください」


 愛美は頭を下げる。


「だめだ」


 凪は敵意を向けて愛美に話をする。


「お願いします!!」


 愛美は大きく声をだし頼みこむ。


「……愛美ちゃん帰りな」


 無表情で愛美を見る。


「嫌です!!帰りません」


 愛美は真剣な表情で凪の目を見る。


「……」


 凪は愛美に近づき大きな封筒を渡す。


「?」


 愛美は突然渡されて戸惑いの表情を見せる。


「悠が別れた理由だよ」


 凪は無表情で愛美を見る。


「……」


 愛美は大きな封筒を見始める?


「……見たら帰りな」


 凪は椅子に座り始める。


「……」


 愛美は無表情になり始める。


「愛美ちゃんがどんなに主張しても、現実は残酷で大人の都合で道が変わる」


 凪は愛美を見て話をする。


「……」


 愛美は下を向いて涙を流し始める。


「……愛美ちゃんがである限り俺は悠ちゃんと付き合わせることはない」


 凪は疲れた表情で愛美に言う。


「……」


 愛美は弱々しく無言で凪の言葉を聞く。


「姉上!!」


 真名が声を出す。


「……愛美ちゃん、本当に悠ちゃんに会いたいなら」


 凪は真剣な表情になり愛美を見る。



 凪は優しい声で愛美に言う。


「え?」


 愛美は凪の瞳を見始める。


「俺は明日の朝に黒雛家に行く用事がある」


 凪は無表情で愛美に言う。


「……」


 凪の言葉を愛美は聞く。


「俺が黒雛家にいる間に愛美ちゃんがどうしたいか決めて行動しろ」


 凪は冷たい瞳で愛美の瞳を見て言う。


「……」


 愛美は無言でこくりとゆっくりとうなずいた。


「俺からのアドバイスは以上だ」


 凪は優しい笑顔で愛美の瞳を見る。


「……あ、ありがとうございます!!」


 愛美の瞳から光が宿り始める。


「愛美ちゃん、帰りな」


 凪は愛美を見て話をする。


「はい、帰ります」


 迷いのない表情で愛美は帰ろうとする。


「……愛美ちゃん」

「?」


 凪は愛美に声をかける。


「……どんな結果になっても俺が責任をとるから遠慮なくやりな」


 凪は無表情で愛美に言う。


「……はい、わかりました」


 愛美は真剣な表情で答えて家を出て行った。


「……真名、すまないが愛美ちゃんに出来るのはこれで精一杯だな」


 凪は真名を見る。


「姉上、ありがとうございます」


 真名も笑顔でお礼をする。


「……さて、ここからが一番の問題だな」


 凪はため息をつき始める。


「……姉上?」


 真名は心配そうな表情を見せる。


「……黒雛家は一筋縄ではいかない」


 疲れた表情で悩み始める。


「そうですね、あたしの時もそうでしたからね」


 真名は悲しい表情を見せる。


「あの時はすまななかったな」


 凪は真名に頭を下げて謝り始める。


「大丈夫ですよ姉上」


 真名は笑顔に戻り始める。


「ありがとう」


 凪も笑顔を見せて部屋に戻っていった。


「……(仮にだが愛美ちゃんがうまくいったとしても今後のことも考えないと行けないからな)」


 凪は目を閉じて考え始める。


「……(必ず大人が介入して来る)」



「……(俺の力では守れない)」




「……(どうする)」


 




「……(明日の朝、黒雛家は権力や人を集めて俺を潰しにかかるだろうな)」






「……(か)」


 凪は目を開いた。


「……」


 名刺入れを出して携帯をいじり電話をし始める。


「もしもし、体で支払うから力を貸して欲しい」


「あらあら、体で支払うなんてどうしたのかしら?」


 電話越しから陽気な女の声が聞こえた。


「急なお願いです。時間がないんです」


「わたくしに頼むということはわかっていて頼んでいるのかしら?」


「はい、わかっています」


「で、何をすればいいのかしら?」


 陽気な声で女は聞く。


「明日、メールした指定の場所にきて欲しい」


 凪は真剣な声で言う。


「……わたくしに随分と無茶なことを言いますわね」


 女の声のトーンが変わる。


「無茶は承知で申し訳ないんだが来て欲しい」


 凪は必死に言う。


「……先払いならOKかな」

「あ、ありがとうございます」


 凪はお礼をする。


「後は」

「?」


「つまらなそうだったら手を貸さないし、ペナルティを与えるけど良いかしら?」


 冷たい声で言う。


「……はい、大丈夫です」


 凪は冷や汗をかいて答える。


「蓮の友人さんでも、わたくしは容赦しないならね」


 呆けた声で言う。


「はい、わかりました」


 凪はゆっくりと答える。


「ふふふ、早く壊したくてうずうずしちゃうわね」

「……」


 凪は電話の声に恐怖を覚えながら聞いている。


「ふふふ、それじゃあね」


 電話は切れた。


「……(魔王様はどう動くかは愛美ちゃん次第だな)」


 凪はベッドに横になり始める。


「……(魔王様が介入すればどう転んでも状況は大きく変わるだろうな)」


 凪は眠りについた。













???side

「さあて、全てを喰らいますかね」

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「書いたぞ」


「作者様、寝ろ」


「はい、寝ます」


「がんばりすぎやな」












  

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