第17話 3日前の姉③

凪side

「……(こんなタイミングでお客様?迷い人?)」


 凪は真名の話を聞いて戸惑いの表情を見せる。


「……(まさかな)」


 凪は嫌な予感を感じてお客様がくるのを待つ。


「姉上、お願いします!!」


 迷いのない笑顔でお客様を連れて来る。


「……(おいおい、こんなタイミングでか)」


 凪はお客様を見ると長い黒髪の少女が顔を出す。


「……とりあえず座ってくれ」


 凪は少女に声をかける。


「……」


 少女はこくりとうなずき椅子に座った。


「……改めて久しぶりだね。愛美ちゃん」


 凪は愛美の瞳を見て名前を呼ぶ。


「……お久しぶりです。凪ちゃん」


 愛美はかしこまった表情を見せる。


「6年ぶりぐらいだが元気にしてたか?」


 凪は自然な笑みで話をする。


「……はい、元気にしてました」


 暗い表情を見せて愛美は答える。


「……それで俺に何か相談があるのかい」


 凪は無表情で愛美の瞳を見る。


「……」


 愛美は震えて言葉に出せず、無言になる。


「愛美ちゃん!!」

「!!」


 真名が大きく声をかけると愛美がビクッとなる。


「……」


 愛美は呼吸を整える。


「……」


 凪は愛美の瞳を見て言葉を待つ。



「お願いします。助けてください」


 愛美は震えながら声に出して凪の瞳を見る。


「……助ける?」


 凪は愛美の言葉に疑問な表情を浮かべる。


「はい、お願いします」


 愛美は涙を出して真剣な表情で言う。


「……具体的に何を助けて欲しいんだ?」


 凪は戸惑った表情で愛美に言う。


「……」


 愛美は下を向き無言になる。


「愛美ちゃん、素直に思ったことを言葉にして大丈夫だから!!」


 真名は優しく声をかける。


「……」


 愛美は一呼吸をおき始める。


「……」


 凪はゆっくりと愛美の瞳を見て言葉を待つ。




「……彼に別れを告げられました」


 涙を流して愛美は言う。


「……」


 凪も無言で聞き始める。


「私は現実を受け入れられなくて歩いていて気付いたら凪ちゃんの家にきていたんです」


 愛美は泣きながらゆっくりと言葉にする。


「……それで、愛美ちゃんは俺にどうして欲しいんだ?」


 凪は優しい声で愛美に言う。


「……」


 愛美は無言になる。


「「……」」


 真名と凪は言葉を待つ。








「……どうすればいいか、わからないんです」


 愛美は涙を浮かべ下を向く。


「……すまないが愛美ちゃんがわからないと俺も助けることも何も出来ない」


 凪は困った表情になる。


「ごめんなさい、初めてでどうすれば良いかがわからないんです」


  愛美は泣きながら凪に言う。


「……どんな感情なんだ?」


 凪は優しい声で愛美に聞く。


「頭がぼーっとなって何も考えられないぐらいもやがかかっているんです」


 愛美は涙をふいて必死に言葉にして凪に説明する。


「……ふむ」


 凪は真名の瞳を見て真剣に聞く。


「……愛美ちゃんは別れたくないのかな?」


 凪は静かに言葉にする。


「……」


 愛美は無言になる。


「愛美ちゃん、がんばれ」


 真名は小さな声で愛美に言う。






「……別れたくないと思います」


 愛美は下を向き曖昧な言葉を凪に言う。


「帰りな」

「!!」


 凪は怒りを愛美に向ける。


「……俺の大切な家族の悠ちゃんをこんな最低の女と付き合っていることに反吐が出る」


 凪は殺意を出して愛美の瞳を見る。


「……」


 愛美は殺意を向けられて震え始める。


「……所詮子供のお遊び程度の付き合いだったら別れて綺麗さっぱり忘れたほうが悠ちゃんのためになる」


 凪はごみを見るような目で愛美を見る。


「……」


 愛美は萎縮して無言になる。


「……これで相談は終わりだね」


 凪は疲れた様子になる。


「……」


 愛美は膝をつき始める。


「愛美ちゃん!!」


 真名が声をかける。


「……帰りましょう」


 愛美は弱々しい声で言う。


「!!」

「!?」


 真名は愛美の頬を叩いた。


「……真名?」


 痛みを感じながら弱々しい声で言う。


「愛美ちゃん、恐れないで!!」


 真名は愛美の瞳を覗きこむ。


「……」


 弱々しい表情を真名に見せる。


「考えずに思ったことを言えばいい」


 真名は優しい声で言う。


「……」


 愛美は下を向く。


「偽りのままでいたらだめだよ」


 真名は愛美の瞳を見て言う。


「愛美ちゃん勇気を出して真実を言って」


 真名は声をかける。


「……」


 愛美は下を向きながら立ち上がり凪の瞳を見た。


「私は悠君と別れたくない!!」


 震えがなくなり力強い声で凪に言う。

------------------------------------------------------------------------------------

「作者様、大丈夫?」


「何がですか」


「結構、修羅場の連続で離脱者が」


「大丈夫だと思います」


「何故に?」


「私の書き方が独特だから皆さんついて来てくれるはずです多分」


(凪さんに姉命令で作品の方向性変えさせようかな)


「心の声、聞こえてる」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る