第6話 別れと終わりは突然に

 どうも作者です。3/15の時点で日間157位、週間232位になりました。


 皆さんがこの作品を応援してくれたおかげでいけました。


 ありがとうございます。

 引き続き更新がんばります。


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 彼は彼女と付き合い始めてから1年がたち中学2年になった。


 外に出てデートとかは彼女の家庭の事情で出ることができないらしく、基本は夕方の屋上で会って1時間ほど話をして解散するのを繰り返していた。


 回りから見たら付き合ってるのか?と思われるかも知れない。


 だけど、彼と彼女にとっては屋上でいる2人だけの空間がとても良かった。


 いつまでも続くものだと思っていた。








「……」


 彼は屋上で緊張した様子で一人で待っていた。


「……」


 彼はうつむき手紙を持っていた。


「……」


 彼は手紙を持つ手が震えて恐れている様子だ。






「!」


 屋上のドアが開いた。


「こんにちは、久しぶりだね」

 

 彼女は優しい笑みで彼を見る。


「……」


 緊張した様子で手話で(久しぶり)と彼女に伝える。


 彼は付き合ってから彼女は手話の勉強をしてくれたおかげもあり、コミュニケーションもとりやすくなった。


「冬休み後も数回しかあえなくて、春休みを終えて始業式はあえなかったからね」


 彼女は寂しい表情を見せる。


 春休みを終えて彼は彼女と始業式は会えずにいた。

 実質2週間はあっていなかった。


「さて、久々に話をしよう」


 彼女は楽しそうな表情を見せ彼に近く。


「!!」


 彼は反射的に彼女がら距離をとり後ろに下がった。


「どうしたの?」


 彼女は彼の違和感を感じて近づこうとする。


「……」


 彼は手を震えながら手話で(渡したい物がある)と伝えた。 


「……渡したい物?」


 彼女は違和感を感じながら、立ち止まり彼と距離を取った。

 

「……」


 彼は呼吸を整えて鞄から可愛らしい熊の折り紙で包んで入れた手紙を彼女にゆっくりと手渡す。


「……ありがとう」


 彼女は優しい笑みを向けてお礼をする。


「……」


 彼はこくりとうなずく。


「……手紙なんて珍しいね」


 嬉しそうな表情を彼女は見せる。


「……」


 彼は手話で(今すぐ見て欲しい)と伝えた。


「……うん、わかった」


 ワクワクした様子で手紙を開けて便箋が出てきて彼女は読み始めようとする。


「!!」


 彼は突然、走り出して屋上のドアを開けて出て行った。


「……」


 彼女は彼がいなくなっても便箋を読んでいた。


「……?」


 彼女は無表情になり今の状況を処理できなくなっており頭が真っ白になっていた。


 彼、麟憧悠りんどうゆうは中学2年4月に大好きだった彼女、黒雛愛美くろひなえみと別れた。


 

 麟憧悠side


 僕こと麟憧悠は今、屋上から出て校舎から出て必死に走っていた。


「……」


 ちらっと後ろを見るが誰も来てないことに安心をして必死に走る。













「……」


 はあはあと疲れた様子でしばらく走り出して目的の場所に着いた


 その場所は旅館のような建物だった。


「……」


 僕は恐る恐るブザーを鳴らすと。ドアが開き僕より身長高めの清楚な黒髪の女性がでてきた。


「悠ちゃん!!」

「!!」


 悠に突然、黒髪の女性に抱きつかれる。


「久しぶり」

「!!」


 黒髪の女性は悠の体をすりすりとし始める。


「!!」


 悠はじたばたして手話で(やめてやめて離して)とするが黒髪の女性は離れる様子もなくすりすりし続ける。


「久々に悠ちゃんを抱きしめて匂いやすりすりできるのは癒される」


 黒髪の女性はうっとりした表情になる。


「!!」

「あ」


 悠は黒髪の女性の抱きつきから離れる。


「……」


 悠は黒髪の女性に手話で(凪姉ちゃんいる?)と伝える。


「姉上はいるよ」

「!!」


 黒髪の女性は悠の手を握り引っ張っろうとする。


「……」


 悠はそのまま引っ張られて家に入った。


「姉上、姉上」


 黒髪の女性は居間全体に聞こえるように声を出す。


「……どうしたんだ?真名まな


 気だるそうな声で眼鏡をかけた綺麗なピンクの髪の長身の女性が部屋から出てきた。


「悠ちゃんが来たよ」

「悠が来ただと?」


 長身の女性は不思議そうな表情を見せる。


「……」


 悠は長身の女性の前に真剣な表情で顔を出して、手話で(なぎ姉ちゃん、こんばんは)とこくりと会釈して挨拶をする。


「……とりあえず座れ」


 凪は無表情な様子で椅子に座った。


「……」


 悠も緊張した様子で椅子に座った。


「……さて」


 無表情で凪は悠の瞳を覗き込む。


「……」


 悠も緊張した様子で凪の目を見る。


「……何があった?」


 凪は悠の瞳を見通すように覗き込む。


「……」


 カバンから悠は大きな封筒と熊の折り紙で折った手紙を出して凪に渡す。


「……?」


 渡された物に凪は疑問な表情を浮かべて悠を見る。


「……」


 悠は手話で(熊の手紙を今読んで)と伝える。


「……ああ、わかった」


 凪は熊の手紙を開き便箋を出して読み始める。


「……」


 悠は緊張した表情を見せて凪の様子を観察する。


「……ふむ」


 凪は読み終えたのか便箋を置いた。


「!!!」


 突然、悠は何かの衝撃を受けて座っている椅子から落ちた。


「さて、悠ちゃん命を失う覚悟はあるのかな?」


 凪は無機質な言葉で倒れた悠の目の前で言う。


「姉上!!」


 真名が凪と悠の間に入る。


「……真名、


 凪は静かな声で真名に言う。


「……!!」


 真名は悔しそうな表情を見せて唇を噛み締めて後ろに下がった。


「……さて、悠ちゃん、今回は真名に免じて最低限で許してやろう」


 凪は冷たい瞳を向けて悠の瞳を覗き込む。


「……!!」


 悠は凪の目を見て震え始めるが目線をそらさずに凪の瞳を見る。


「……何で別れたんだ!?」

「……」

「何で別れたんだよ!!」

「!!」

 悠は体を吹っ飛ばれて壁に叩きつけられる。


「……」


 悠に意識が飛びそうになるぐらいの衝撃と痛みが襲って来た。


「……好きだったのに何で別れたんだよ?」


 凪は怒りの形相を見せて悠の瞳を覗き込む。


「……」


 悠は悔しそうな表情になり涙をながして手話や身振り手振りで凪の瞳を見て伝える。


「……!」


 凪は悠の手話、身振り、手振りを見て呼吸を整える。


「姉上!!」


 真名が悠と凪の間に入る。


「……悠ちゃん、!!」


 凪は冷たい瞳と無表情で悠の瞳を覗き込む。


「悠ちゃんには凪家の出入りを禁ずる」


 凪は冷たい静かな声で悠に伝える。


「姉上!!」


 真名は怒った表情で凪の瞳を見る。


「……後補習授業部も休んで、自宅謹慎を命ずる」


 無機質な声で悠に伝える。


「……」


 凪からの言葉を聞き、涙を流しながら悠はゆっくりとうなずき痛みをこらえながら凪家から出ていった。


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「6話目、終わりましたな」


「作者様」


「?」


「文字数いつもより多くないですか?」


「……気付いたら多くなってしまいましたね」


「区切れば良かったと思いますが」


「7話目ではこれを書きたいと思う場面があるのでどうしてもね」


「……なるほど」


「……とまあ書けるうちに書かないとな」


「がんばれ、作者」


「ありがとう」


「もし良かったら星、フォローのほうをお願いします」


「星は一番、更新のモチベになりますのでよろしくお願いします。」

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