第74話三郎がまひろに渡したお菓子

 02/04

こんにちは、仲津です。


 今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」で、三郎(道長)がまひろ(紫式部)に渡したお菓子。丸くて黒っぽいお菓子だったのですが。


 Twitter(X)で、あれは「ふずく」だったのではないかというポストを見ました。


 粉熟ふずくは、米、麦、粟、豆などの粉を練り、あまずらをかけて茹で、竹筒の中に押し入れて固めたもの、とのことで、平安時代の書物『延喜式』に記述があるそうです。


 源氏物語では「宿木やどりぎ」に、中君(匂宮の妻)の出産祝いの宴に、後見人である薫大将から粉熟が贈られた。また、藤の宴には女二宮(薫大将の正妻)から粉熟をさしあげた。という記述があります。

貴族のお祝いや宴席に出される高級品だったのでしょうね。


なんでも当時の一般庶民は、まだ竪穴式住宅に住んでいる者もあったと聞きましたので、格差の大きい社会だったようです。


 そこで、昨日、ふずくを作ってみました。

 近況ノートの写真はこちらです。

https://kakuyomu.jp/users/kukiha/news/16818023212966008508


 米粉とあまづら(代用シロップ)を練り、棒状にして茹で、碁石のように切ったもの。

 本来は黄色、緑色を加えて5色になるのですが、今回は白、赤、黒の3色です。


 太さが同じにならなくて、ちぐはぐになってしまいましたし、切るときにベタベタして形がいびつになってしまいました(汗) 要練習のようです。


 米の粉で作るので、いわゆる「しんこ餅」でしょうか。ほのかに甘くて、餅のような、ういろうのような感じで美味しかったです。


 ただ翌日には固くなっていたので、賞味期限は数時間といったところです。


 参考は前川佳代・宍戸香実美著『古典がおいしい平安時代のスイーツ』です。

 以前、『くきは料理帖』の方で紹介した25膳目「手抜き椿餅」の参考本と同じ物です。

 https://kakuyomu.jp/users/kukiha/news/16817330667693963439


 テレビに映ったお菓子はは黒っぽかったのですが、今の米粉は精米して真っ白なので、当時のものとはできあがりが違うのか、それとも、米粉ではなく別の粉を使っている可能性もありますね。

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