……ごめんね。でも、ありがとう!
アマノヤワラ
ケッコウデス…(・–・) _/ | \(・◡・)/ ハナシキクヨー
◇
誰にでも『話したくないレベル』の個人的な悩みがあるものだと思う。
学校とか会社とかで。
「悩みあるのなら聞くよ?」
こんなことを聞いてくる人には、2タイプいる気がするのだ。
①本当に優しい人
②なにかを聞き出そうとしてくる人
いずれの場合にせよ、誠実な応え方はこうである。
「……ごめんね。でも、ありがとう!」
こう応えれば、①の人は優しい人なので『しばらく放っといてくれる』だろう。
そして、②の奴はどっか行ってくれるはずだ。
誰しも人に話したくないことくらいあると思うし、話せることであるならばすでに話していると思う。
たとえ相手が①の人だろうと、それが『普通』だと思うのだ。
そして、①の人を傷付けたくないのならば
「……ごめんね。でも、ありがとう!」
個人的には、この応え方しかないように思うのだ。
◇
たまに②の奴で「私も話すから、あなたもつらいこと全部吐き出しちゃいなよ!」とかぬかしてくる変な奴がいると思う。
“レアケースの②”である。
……なぜ、『人に話したくない私の悩み』と『誰かに話したって構わないお前の悩み』が等価値なのだ?
舐めてんのか?
だが、この場合も基本的に応え方は一択である。
「……ごめんね。でも、ありがとう!」
これで押し通す。
貴様の話など聞きたくはないし、私の個人的な話を貴様にすることは生涯ないと思え。ていうか話せるならすでに話しとると心得よ。
分かったか、このレアケースの②めが。
こう言いたいところを抑えて、憂いを含む強い瞳で
「……ごめんね。でも、ありがとう!」
これを言い続ければ、レアケースの②を追い払い、①の人だけが周りに残ってくれるだろう。
退散せよレアケースの②! 永久に!
◇
ただ気を付けたいのは、レアケースの②は『自分を特別扱いしている』という点である。
なぜか、レアケースの②というのは、“他人が自分に心を開かない”ということに対して突然キレてきたり、相手を性格破綻者扱いしてくる奴もいる。
だいたい、こんなことを言ってくるはずだ。
「そんなんじゃ、いつまで経っても独りだよ!」
『お前に話したくないことがある=ずっと孤独』であるのならば、私は喜んで孤独の方を選ぶ。
私にとって、孤独はマイホームだ。
人んちの玄関のドアガンガン叩きながら、勝手に「ここ開けてください! 悩み聞きますよ!」とかぬかしてくるクソ迷惑な宗教勧誘が貴様なのだ。
貴様は特別じゃない。
ただレアケースなだけだ。
分かったか、レアケースの②よ。
◇
しかし、レアケースの②はこれくらいではめげたりはしないだろう。
なにせ、奴らは『己を特別扱い』しとるからな。
なればこそ、レアケースの②は自分の悩みを誰にも話したくない相手に対しても話すまでしつこく質問してくるし、挙句の果てに「そんなんじゃ、いつまで経っても独りだよ!」とかぬかしやがるのだ。
お前にとって、私の友だちは見えていないのか?
ゼロか? B'zか?
レアケースの②は厚顔無恥である。
故に『己の見たい世界しか見ない』。
「誰かの悩みを解決に導いてあげる私、最高!」
という未来予想図しか持ち得ない者。
汝の名はレアケースの②。
ちなみに①と②の人の最大の違いは、
・相手のためか
・自分のためか
この動機の違いである。
そして、レアケースの②は『自分のためにしか行動しないくせに、これは誰かのためだ!と言い張る』ところがレアケースたる所以である。
これは、マジで困る。
レアケースの②には、本当に“これは誰かのためだ!”と思い込んでいる奴もいるらしいのだ。
狂信的な正義は、悪よりもたちが悪い。
たとえば会社とかで。
レアケースの②は『自分の仕事を誰かに押し付けた』場合、こう思うものらしい。
「……これであの人も成長できるだろう!」
……ほう、ならば貴様が私から仕事を押し付けられても恨むまいな?(下人風)
◇
レアケースの②が家族や上司にいる場合、選択できる手段はかなり限られてくる。
●息を潜めてやり過ごす
●できるだけ早くに距離を取る
何しろ、レアケースの②は“誰かのため”という名目で『自分の目的』を果たそうとするから。
そんな奴と関わったら、どうなるか?
答え→『人格が破壊されるまで追い詰められる』
レアケースの②にとって重要な人物とは
・自分の役に立つ
・自分の言う事だけを聞く
・自分の退屈しのぎになる
これらを兼ね備えている人物である。
居はしないのさそんな人。(井上大輔風)
それなのに『居るのが当たり前』だと思うところがレアケースの②たる所以なのだ。
気ぃ失ってるのかい、とっつぁん?(矢吹ジョー風)
しかも、『己を特別扱い』しとるレアケースの②は、他者に対する要求にまるで制限がない。
“言う事聞く奴”だと思われたが最後、ずっと言う事聞かされる羽目になるだろう。
もし、一度でもレアケースの②の意思に反したならどうなるか。
「……以前私に助けてもらったくせに、あの人最近さぁ…」
みたいなことを、『あなたの周りの人たち』に吹聴して、あなたを孤立させようと工作してくるだろう。②の連中とも連携して。
いや、カルトの手口!(粗品風)
そして、あなたの周りから『①の人たちを締め出そう』としてくるだろう。
恐るべき侵略者! その名はレアケースの②!
◇
なので、筆者が言えることはこれだけである。
「悩みあるのなら聞くよ?」に対して、悩みを打ち明けたくないのであるならば。
「……ごめんね。でも、ありがとう!」
こう言って、毅然とにっこり笑いなさい。
あなたの笑顔は、①の人には『健気さ』と映り、②の奴には『牙を剥く獣』と映るだろう。
個人的には、自分の悩みを誰かに打ち明けることで“気が楽になった”とかいうのはフィクションだとすら思っている。
というか、気を楽にする以前に『悩みを解決したい』のだ、私は!
『解決策の提示』ならば、とてもありがたい。
でも『悩みを誰かに話すだけ』は話す相手にもよるのだ。
①の人には、これで分かっていただけたと思う。
いつもありがとう①の人。
そして、この世のすべての②とレアケースの②よ。
二度と誰かにいらんことするな。
このたわけめが。
≈≈≈
『……ごめんね。でも、ありがとう!』
…了
……③考えすぎる人
あんたもレアケースだ。
だが、あんたの誠実さはあんたの幸福のためにあるものだ。あんまり赤の他人の声に耳を傾けすぎて考えすぎんな。このたわけめが。
……ごめんね。でも、ありがとう! アマノヤワラ @sisaku-0gou
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