サラブのインフレーションブレス

ちゃむ

第1話

「あーもう!イライラするなぁ!!」

黄緑色の1mほどのドラゴンが声を荒げていた。

彼女の名前はサラブ。腕や肩周りは細いが、下半身やしっぽは太く、頭には鋭い角が後ろ向きに生えている。

「もう我慢できない!あたし、一人であの村を滅ぼしてくる!」

サラブはそう言って、山の頂上へ飛んで行った。


山の頂上から見下ろすとそこには一つの村が小さく見えた。

「私の全力を見せてやるわ!怒らせたことを後悔させてやる!」

サラブは足を大きく広げて、凄まじい勢いで息を吸い込み始めた!


ゴオオオオオオオオオオオオオオ!!!


すると、サラブのお腹がみるみるうちに膨らみ始め、体積が5倍、10倍と増えていき、さらに体内に溜めたブレスが透けて青緑色に光っり始めた。

「まだまだ!私の怒りはこんなものじゃない!!」

サラブはそう言うと、さらにブレスをチャージし始めた。

やがて、サラブのお腹はまるで隕石のような大きさにまで膨張した。

その様子は、山の麓にある村からも見えていた。

「な、なんだあれは!!」

村では一人の男が空を指さして叫んでいた。

それは他の村人も同じで、全員空を見上げていた。

周囲から途轍もない量のエネルギーがその物体に雪崩れ込んでいき、余りの勢いに地鳴りも起こっていた。

サラブのブレスはどんどんと溜まり続け、とうとう彼女のお腹は大気圏を突破し、宇宙にまで届くほどの巨大さにまでギチギチに膨れ上がっていた。

危機を感じた村人は一目散に逃げ始めるが、サラブのブレスは待ってくれなかった。

「くらいやがれ!!ギガントサラブ・ノヴァ!!」

サラブは村に向かって大きく口を開け、怒りの咆哮とともに溜めに溜めた渾身のブレスを村に向けて一気に解き放った!


ドゴオオオオオオオオオォォォォォンンン!!


凄まじい轟音とともにサラブの口から青白い極太の破壊光線がぶっ放された!

破壊光線は一瞬で村を飲み込み、地面ごと跡形もなく消し飛ばした!

サラブの放った凄まじい破壊力のブレスは留まることを知らず、絶え間なく地面を穿ち続けた。

その衝撃は凄まじく、大地震が起こり津波も発生し、山も削れて吹き飛んだ。

ブレスは1時間もの間放たれ続け、次第にサラブのお腹は元の大きさに戻り、ブレスの放出も収まった。

この大破壊によって村があった場所には巨大なクレーターができ、その中に海水が流れ込んでいく。数時間もすればクレーターは海水で埋まり、世界の水位は数センチ下がるだろう。

「ふぅー!スッキリしたー!ふふん♪」

サラブは巨大な胸を張り、お腹をさすりながら満足そうに言った。

そして、スキップしながら山を降りて、自分の住処に戻って行った。

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サラブのインフレーションブレス ちゃむ @BulkieCharge

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