間違ってタイムリープをしたら100年後の世界でAIが人間を従えている世界で生活することになってしまったある男

第1話 別れ

「もう、あんたとはやってらんない。別れて」

3日前しがない大学生村上巧は彼女に振られてしまった。5年前の高校生から付き合っていた彼女に。

彼女は高2のときのクラスメート。教室の隅で読書をしている僕とは正反対で彼女はクラスの中心にいた。クラスの真ん中で太陽のように笑う彼女の笑顔に僕はいつの日かとりこになってしまった。僕なんか。って思ってしまったけど意を決して思いを伝えた。そして奇跡的に僕は彼女と付き合えるようになった。理由は特に聞いたことはなかったが、当時は付き合えたことだけが嬉しかったのだ。

それから僕たちは5年上手くお付き合いできていたと思っていた。やることはやってきたと思う。どこにでもいるような普通のカップルだと思っていた。

だが、彼女は思っていたことが違ったようだ。

そして3日前別れを切り出されたというのだ。

なぜなのか理由は聞けなかった。

5年も付き合っていた彼女に振られたということにショックを受けてしまったようでこの3日間なにも食べることができなかった。このままではいけないって思ってあるものに応募した。これできれいさっぱり彼女のことを忘れられたらいいなと思うが…

僕が応募したのはタイムマシーンの装備確認という治験？みたいなものだ。最初これを見かけたときタイムマシーンってほんとか？アニメの世界ではないか？と思ったが、これで彼女のことを忘れられるなら都合がいい。それにとてもおもしろそうだ。そう思い、応募してみた。

タイムマシーンの装備確認って言っても実際タイムリープするわけではない。何をするのか公開されてはいないがとりあえずタイムリープはしないらしい。

でもいいじゃないか。タイムリープできなくても。少し気分転換ができて、ついでにお金がもらえたらいいなっていうことで応募しただけだ。

明日から治験が始まるようだ。どんな場所なのかは非公開である。いまではショックの気持ちは消え去りドキドキというような高揚感に包まれている。