第9話 お祭り太鼓
じいじの住んでる所のお祭りは毎年6月末の土用、日曜に
行われる。
梅雨時になるのでよく雨が降って、出店が出ない年も結構
あった。
じいじが中一の頃に、友達とお祭りに行った。
「太鼓叩きに行こう」
「叩けるの?
「一人の人が叩きっぱなしだから、休憩したくなると
俺たちに叩かせるんだよ」
お社は山の中腹に有った。昔は下の今は宅地になっている
場所にあったけど何度も津波に逢ってるので高いところに
移したんじゃよ。
お祭り太鼓は朝から晩まで叩いていないとダメらしい。
その場所には太鼓を叩いている人しかいなかった。
そばで見ているとそのおじさんが言った。
『おい、おめえがどう、てえごただいでみねえが?」
(おい、お前たち、太鼓を叩いてみないか?)
「俺がいっぷぐしてる間、ただいででけろ」
(俺が一服してる間、叩いていてくれ)
「うんいいよ」
「おせえけえみでろ」
(教えるから見ていろ)
ドンドンドン(両手打ち)
ドドンがドン(右、左、右)
ドンドン(右、左)
カカカ(太鼓のふち、少し早めに)
ドンドン「右、左)
カカカ(ふち早目)
ドデンドンデン(右、左、右、左)
「これの繰り返しだ。やってみろ」
じいじ達は一生懸命叩いた。
面白くなった時におじさんが言った。
「俺がサボってるのを見られたら不味い交代だ」
「「ええー」」
「来年まだこー」
(来年また来い)
じいじのお祭り太鼓はそれで終わった。
でも今でも叩き方は覚えてるぞ。
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