第3話 はーめでたいなあめでたいなあ
小正月と云えば日中には
2人組で、人の家の玄関前で福の神の様な衣装に帽子を被って
いて、1人は歌を歌う。
もう1人は鼓を持って合の手を入れる
「はあーめでたいなあ、めでたいなあ。こどすはいわすが
でえりょうで……」
(はー、目出度いなあ目出度いなあ。今年はイワシが大漁で
……)
と言った歌詞を歌っていた。方言丸出しで歌っているのが
面白かった。
その頃じいじの家は貧乏で近所の友達は保育所に行って
いたけれど、じいじはいつも家にいた。そのおかげで
判らないものだなあ。
で、その歌の最後に
「この
の歌詞が有った。
大人になって判ったことだが、この歌詞は
青森県三戸で生まれた門付唄の【南部俵積唄】
の最後の歌詞と同じだった。
誤解している人も居るがこの南部とは、南部藩の南部では無く
青森県の津軽地方に対しての南部地方という意味なのだ。
津軽と南部について説明しようとすれば長くなるので
その内に機会があれば教えてやろう。
【南部俵積唄】がラジオで放送されて日本中に知られたのが
この頃だったようなのだよ。そのせいか、門付唄に百万長者
の歌詞を追加したんじゃないかとじいじは思っておるんだよ
「目出度い、目出度い」
終了
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます