第2話 もうこがくっぞ!

子どもの頃いつまでも寝ないで遊んでいると

母ちゃんに

「もうこがくっぞー!」って脅されておった。

もうこがくるぞーという意味で、もうこって

お化けみたいなものだと思っていたら

元々は蒙古という意味だった。

元寇と言って鎌倉時代に九州地方に押し寄せた

蒙古軍の事が、とっても遠い東北の外れまで伝わって

子供を脅す材料になるなんて、昔の人達は余程

恐ろしかったんだろうねえ。


恐ろしいと言えば、

小正月の夜に

「なぐわらすは居ねえが―!なまげもんは居ねえが―!」

(泣く子供わらすは居ねえかー!怠け者は居ねえかー!)

と、鬼の様なお面を被った大人の男の人が木で作った包丁を

振りかざして家に入って来た。

じいじは怖くて泣いた。そしたら母ちゃんが

「いなごぜんす、いなごぜんす」(いません、いません)

と言って紙に包んだお米とか現金を差し出して

追い払ってくれた。


今考えたら、自分が怖がらせて泣かせておいて

「泣く子供わらすは居ねえが―って変だよなあ」


じいじの町では【なもみ】と言ったが秋田では【なまはげ】

岩手の南沿岸部では【すねか】というらしい。


「蒙古と関係があっかねえがはおらすらねえ」

(蒙古と関係が有るか無いかは俺は知らない)


   終了

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る