第六章 君といた世界は

 僕は目を覚ました。

 真っ暗な世界から解放され、明るい光が差し込む。

 (ここはどこだ)

 気がつけば僕は病棟の布団の中にいた。

 腕には点滴が打たれている。

 首が少し痛い……。本当に僕は自殺をしたみたいだが、失敗に終わったようだった。

 じゃあさっきまで見ていた世界は一体なんだったのだろうか。

 あなたは死神なのだろうか。

 あれは死後の世界なのか、それとも夢なのだろうか。

 僕には何も分からなかった。

 でも楽しかったな。なんだか。あの世界が。

 あなたといっぱいお話しをして、歌い、踊った。

 結局、幸せというのは何なのか、僕には分からなかった。

 でも、死神さんに教えてくれた言葉は、誰よりも強く、僕の心に刻まれていた。


 ありがとう死神さん。

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死神詐欺師 @yufin

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