知覚

輝き。それを輝きと感じるのは、なんのためか。目か、脳か、あるいは心か。それは美しく輝いている。

それを表す言葉は何が適当だろうか。考えるほどに迷うばかり。ただ、うっとりと、その輝きに出会えた喜びに、身を震わせるだけだ。とめどない喜びに、他の何を考えることもできない。食べること、飲むこと、寝ること、それらを忘れてしまう。自分が生きている喜びは、まさにその輝きにあったのだと思わずにはいられない。ひたすら見ていたい。まばたきすら忘れ、涙が溢れ続ける。歓喜の涙がやむことはなく、心に満足が続いていく。この輝きを知るために生まれてきた。そう感じてやまない。

それは、つまり、終着点に至ったということだ。目的を達してしまった。その輝きを知ること以上の目的は存在しないということだ。命の続く限り、歓喜を感じ続けるだろう。

命の限り、その終わりは続く。

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思いつきの風景 物語の断片 ごいし @goishi

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