教室

規則正しく並んでいる。

机と机の間は、全て均等であり、そこに座るのは同じ服の人間。同じ本を開き、ノートに要点と解説をまとめている。

私語はない。視線は、机の上のディスプレイとノートを往復し、たまに本にうつる。

ヘッドフォンをつけ、周りの雑音を遮断すると共に、講義の音声に集中する。

インプットとアウトプットを徹底し、学習するためだけの空間。

沈黙を破るように、ペンが床に落ちる。慌ててペンを拾う生徒。しかし、時既に遅し。教室に、黒いスーツの二人が入ってきた。無言で生徒の腕を引っ張り、立たせる。生徒はうつむいたまま、立ち上がる。何の会話もなく、教室の外に出ていった。

三人の動向に全く気を配ることなく、勉強を続ける。

ここは、学習するためだけの空間だ。

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