第24話 どうせシスコンですよーだ!

沢山飲み食いして沢山の事を話して俺達のお疲れ様会はお開きになった。

今はお店の外に出てお互いに挨拶を交わしていた。


「今日はいきなりの誘いなのに来てくれてありがとうございました。」

「そんな!そんな!こちらこそ誘って貰えて嬉しかったですし、楽しかったです!」


店の外でワイワイと話しながら巴さんと話してる俺の側に愛央達も近づいて来る。


「悠馬っ。この後はどうするの?」

「後は帰るだけかな。タクシーは呼んでるからそれ待ち。」

「この人数ですし二台に分かれてですか?」

「そうなるかな。俺達と、菜月、千里組&荷物で分かれる感じだな。」

「それなら、今の内に連絡先の交換しときなさいー。菜月!」

「えっ?!暁斗くんとですか?!」

「ん~?別に暁斗くんとなんて言って無いぞぉ~?」


にやにやとした顔で清華が菜月に突っ込む。

でも、確かに暁斗と交換しとけとは一言も言って無い、連絡先の交換しとけと言っただけで……そのツッコミの意味を理解した菜月は一瞬で真っ赤になってわちゃわちゃし始める。


「えぅっ!?いや!そんな!ね?別に!ほら!その!」

「ふっ……ふふっ……焦りすぎでしょ菜月ちゃん。」

「そうですよ。まぁでも?菜月さんが暁斗さんをどう思っているのか分かった気がしますね。」

「悠馬くんも良いよね?菜月と暁斗くんが交換するの。」


おのれぇ……ここで否定したらさっきのシスコンに繋がるじゃねーか!


「お、おう!良いと思うぞ!菜月と暁斗が良ければだが!?」

「そんな血反吐吐きそうな顔で言わなくても良いじゃん……悠馬。」

「ぐぬぅ……暁斗!交換しとけ!許す!」

「ぇぅ……良いんでしょうか?」

「あ゛ぁ゛ん?!菜月に不満あるってのかぁ?!」

「無いです!是非とも宜しくお願いします!」

「はいっ!えっと……よろしくお願いします……」


…………………………………………………………

SIDE 暁斗


やったぁ!菜月さんの連絡先ゲットだ!マジでついてる!


「何をニヤニヤしてるんだか……」

「うっ!し、してないし!」

「はいはい……」


解散してホテルに戻った俺と姉さんは俺の部屋で話して居た。


「まぁ、でも良かったね?菜月ちゃんの連絡先知れて。」

「うん……悠馬さんに誘われた時はこんな事になるなんて思って無かったけど凄く楽しかったし今回、参加して良かった。」

「そうだね。最初は暁斗があんな場所に出たいって言った時は驚いたし絶対に反対だと思ったけど、結果的に良かったね。」


ほんとそう。人前に出る事、沢山の女性達の居る場所に出る事を母さんも姉さんも大反対だった。

だけど、俺の気持ちをはっきりと伝えたら渋々ではあるけど許可が出たから頑張って見て良かった。


ピロンッ!と俺のスマホから通知音がなった。

直ぐに手に取り確認すると早速、菜月さんからだったのを見た俺は自然と口元がニヤニヤとしてしまう。


「おやおや?ニヤニヤしてー!早速連絡来たのかな〜?」

「うっ!うっさいし!ほっといてよ?!」


ハイハイ〜と、姉さんはニヤニヤしたままの顔で俺から離れ俺達のやり取りを静かに見て居た母さんの方へと歩いていった。


:こんばんわっ!菜月ですっ!こちらは帰宅して部屋でのんびりし始めたところです、暁斗さんは何をしてますか?


丁寧だけど何処か浮ついている様な菜月さんの文章に少し、クスッとなりながら俺は返事を書く。


:こんばんわ!こっちも似た様な感じかな?さっきまで姉さんに誂われてたけど、菜月さんからの連絡で離れて行って……今は母さんとニヤニヤしながらこっち見てる……


:そうでしたか。えっとその……本当に連絡先交換良かったんですか?ご迷惑では無いですか?


:勿論!凄く嬉しいし家族以外で女の子の連絡先の初めてが菜月さんで良かったって思ってる。菜月さんこそ嫌じゃ無かった?


:それなら良かったですっ。初めてって……少し照れますね。だけど迷惑じゃ無かったなら本当に良かったです。兄さんも無理矢理でしたから……あっ!私は本当に嬉しいですよ!交換出来て、こうやって話せて嬉しいですし楽しいですっ!


:良かったぁ!気軽に連絡してね?俺もするし沢山話して菜月さんの事を知りたいから。


:はいっ!私も暁斗さんの事を知りたいので色々お話しましょう!それと、もし私の居る街に遊びに来る事があれば絶対に連絡してくださいね?!絶対ですよ!!


:うん!その時は絶対に声かけるよ!こっちに来た時も声かけてね?その時は一緒に遊ぼう!


…………………………………………………………

SIDE 菜月


「一緒に遊ぼうですか……それって、デートでは……?」


暁斗さんの何気無い一言で私の胸は高鳴る。

多分そこまでの意味は無いしそこまで意識して無いと思う。

だって話しの流れ的にもおかしくないですし……


「むぅ……暁斗さんも気付いてドキドキしてくれていたら良いんですけど……」


何となくですけどにぶチンの様な気がしますし余り期待は出来ないかもですね。


「あっ……それよりお返事……」


:は、はいっ!その時は案内してくださいね?暁斗さんの街を見るの楽しみにしてます!


「ふふ……なんか遊びに行くのが決まり!みたいな流れですね。兄さん達と一緒に行きたいですね。」


あ〜……でも遊んでる時は放置されそうですね。

兄さんも義姉さん達もそゆ時は変に気を使いますし。


「まぁ……暁斗さんとのデートになったらなったで楽しそうですから構いませんけど。」


って……デートするのが当然みたいに考えちゃってます。

はぁ……私、どうしたんだろ……?


…………………………………………………………

「えっ?!菜月ちゃんが?!」

「そう。妙に気に入ったみたいだよ。誘うのも嫌がってなかったし、俺が言ったとは言え連絡先も交換してからね。」

「あら……あらあらあら……まぁまぁ……」


母さんの動きが止まったわ〜。まぁ、分かるけどさ。


「そんな訳でもしかしたら暁斗の住む街に遊びに行きたいと言うかもしれないよ?」

「う、う〜ん……まぁ、でも悠ちゃんから見ても大丈夫そうだったんでしよ?」

「うん。そこは間違い無いよ。だからこそ連絡先も交換させたし。」

「そうよねぇ。悠ちゃん、シスコンだしねぇ。」

「ぐぬっ……大切な妹の相手になるかもなんだからちゃんと見極めるのは当たり前だろ!」


母さんからもシスコン言われたわ……俺ってそんなにかなぁ〜……そりゃ生前も妹居たから心配は当然するんだけどさ。だからってさぁ……


「兎に角、私の方でも調べてみるわ。」

「調べる?」

「えぇ。菜月ちゃんの立場を考えたら当然でしょ?」

「あぁ……それもそうか。まぁでも……大丈夫だと思ったよ。」

「うんっ。悠ちゃんの目を信じて無い訳じゃ無いんだけど、それはそれとして……ね?」

「分かってる。暁斗が大丈夫だとしても、暁斗の家族と親族に問題があるのが居たら困るのはこっちだからな。俺は流石にそっち関係は何も出来ないし、母さんに任せるよ。」

「えぇ、任せて。でも、そうねぇ……菜月ちゃんに恋人が出来たら嬉しいわね。」

「そ、そう……だね……」

「ふふ、そんなに悔しそうにしなくてもっ。」


母さんの押し殺した笑い声が、室内に響き渡る。

笑いたければ、笑えば良いじゃ無いか!どうせシスコンですよーだ!!

良いじゃん!可愛い妹なんだから!心配するのは当たり前でしょう!!


そんな俺の言葉に母さんは遂に決壊して、お腹を抱えて涙を流しながら笑い転げて居たのだった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

なんとか年内に一話更新できました、本年も本当にありがとうございました!

来年もよろしくお願いします!

皆様!良いお年を!

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目が覚めたら異世界転生して男女比1:20?!こぼれ話 桜蘭 @karascrow

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