第5話


ヒロイン、ロナと出会いあれから、1週間の時が流れていた。その間もロナの家族である母親と共に、私の使いなどで警護に付けさせているから襲われる心配はないであろう。


最初は、戸惑っていたエリカさんだったけど、ロナの「凄〜い!!」なんて言って子供のような言動をしていたけど、あの子もあの子で何かをわかったような覚悟めいた瞳をしていたから、まぁ大丈夫だろう。


そしてその件で、お父様 ――国王陛下からの返答は、〔お前の好きにしろ〕と手紙での言うお達しも貰えたので、十分な資金とかも要求したらあっさり出してくれた。


案外子供の時は甘いのかもしれないわね。と思ったけど、書類のやる量は増えていたからちゃっかりしていて解せない。


でもある程度の余裕を持てたことは、今後の事で役に立つと思ったから反論なんてないんだけどね。でもこの1ヶ月で分かったことも出てきていた。


お母様は体調が優れないのは分かるけど、私に侍女何かを送らずに何も言ってこないし、なんならお兄様であるアルフレッドも、私に興味があるのかも分からないような動きをしていて原作よりも、早く家庭崩壊しているのでは?なんて思う。


だけど、お母様の患っている物が病気ではなく呪いの類だと言う事は、原作の知識で分かっているから、治療薬である〘エチルの花〙を来年の春までに探さないと行けない。

そう出ないとお母様は、魔王の配下である者に魔力を吸い取られて息絶えてしまう。


そんな事させるわけないじゃない!お父様が皆を信用出来なくなったのもお母様の病気が原因だし、その何人も来るお医者様が匙を投げて治し方も分からないといって、できるだけ安静になんて言ってから魔力安定剤だけで済ませている当たり、この国の医者は何処もヤブ医者だと思う。


それでも、今まで持たせていたことには、まぁ感謝してるけど、あと残り僅かなのは変わりないから早く北側諸国にある〘エチルの花〙を今年か来年中に取り押せないと行けない。


その北側方面の知り合うツテは、今の所ないけど、でも


「この頃に婚約者として尋ねてくる彼女・・なら或いはでも、この近くを通る訳じゃないから会えるかどうかなのよね。」


そう私が、その北側方面にツテがある人物、悪役令嬢にしてこの国に3つしか存在しない由緒正しい家紋の公爵家長女、ソフィア・オルフィリア嬢だ。友好国の北川諸国の方面に領地を持つオルフィリア家では、貿易が盛んで殆どの商品が入ると言っても過言では無いぐらい、商会などが多く存在する。


そして何よりも、この王国で最も裏切ってはならない所がこの公爵家と言えるぐらいには、重要な立ち位置の家紋だ。そして何よりも私のお兄様と同じ歳で美しい容姿をしているから、是か非でも王家に迎え入れないと行けないぐらいには、重要なのだ。


そして残りの公爵家は、1つは宰相を務める家紋のアヴァイン公爵家で、もう1つがこの国の近衛騎士で騎士団長を務め騎士爵や軍を動かす立場のコックス公爵家が主なこの王国に連なる者たちで向こうの公爵家はこの国の王子と年齢が合わない為に同じ時期に生まれたソフィアとの婚約を結ぶ算段なのだ。


由緒あると言えば確かなのだけど、幼少期から甘やかされて育っていたソフィアは、少し傲慢で理不尽なことは無いが、子供のわがままの度が過ぎていたけど分別はある程度で着ていていたとしても、それを指摘されなかった事から、あのゲームのような以下にも悪役令嬢のような性格になってしまったのだと私は思う。


だけど、もし婚約が成立して更なる傲慢さが拍車をかけたら、恥さらしとして他のもの達からも疎ましく思われてしまうのでは、と思ったから私は、悪役令嬢ソフィアを真っ当な道に、近づけて私好みの少し悪役令嬢が残るぐらいの可愛らしいお嬢様に仕立て上げようと思っている。


そして何よりもその日が着実に近づいてきていることを私は密かに思いながら、家庭内のことと私の仕事(押し付けられた)を進めていくのだった。





   ◆    ◆    ◆





あれから数日たち、城の中が慌ただしくなっていた。


相変わらずと言っていい程に、アルフレッド兄様には、会えないしむしろ避けられている様な気すらするから、私も無視しようと思って触れないでいる。


でも今日はそんな訳には行かない日、そうお兄様と婚約者なる悪役令嬢ソフィアが対面する時なのだ。勿論家族全員で彼女を迎えるわけだけど、生憎と言ってお母様は床に伏せているから、お兄様と私そして国王である父上で、話し合いをする事になる。


オルフィリア公爵であるソフィアのお父上のソイジェル卿も交えての会談となるから、私にとってはこのイベントはお兄様がどれだけ行動を起こすかによって、私の立ち回りで良い結果にも悪い結果にもなり得るから、割とではあるけど、緊張する。


原作とはもう殆どかけ離れているし、それにお兄様も、もしかしたらなんて思ってしまうから、気が抜けない事をして行かないと思いながら私は少しだけ不安を抱えながら、レニアに支度をしてもらいながら、ソフィア様の到着を待つ。


そして到着したのか、私とレニアはお父様がいる客室へと足を運ぶ。その途中で記憶が戻ってからの初めてのお兄様との対面を果たす。

原作でよく見た顔が目の前に映し出されて私は相変わらず整った顔をしてるな等と思いながらお兄様を見つめると、少し見下すような目で私を見てくるのを感じた。


この頃の私達兄妹は仲が良かった記憶があるから、あんなに冷たい目で見られたのは本当に初めてだと思う。よく遊びに私の所に来てくれていたアルフレッド兄様は、もはや過去の記憶と思わせるほどに冷たかった。


「久々だね、ミリア元気にしていたかい?」

「ええ、お久しぶりですアルフレッド兄様今まで通り楽しく過ごしていますよ。」

「それは良かった、そういえば最近よく動いていると聞くけど、何をしているんだい?」

「それは....秘密です。」


そう言って私は、あえてイタズラ風にお兄様に告げる。もしも何かあった場合に秘密にしないと思ったから、そのような答えを出した。


(これは間違いなくお兄様は....)そう私はにこやかに微笑みながらそんなことを考える。本当だったら、お兄様に手伝って欲しかったと思う部分はあったけど、この様子のお兄様を見てしまったら、考えを変えないと行けない。


もう確実に、お兄様は以前のお兄様ではなく、誰かの人格が入った、私と同じ憑依転生者だと確信する。こんなことになってしまったことにはもう後戻りも自重もする事を辞めないと行けないそう思いながら、私達は客室に着く。


中に入ると、そこにはお父様が待っていた


「来たかお前たち」

「お久しぶりです父上」

「お父様、お久しぶりです。」


そう挨拶を交わして中に入る。すると少しだけ私を見て薄らと笑うお父様に私は、これは何かあるななんで思ったら


「随分と成長したじゃないかミリアよ、お前がいる宮では、使用人や他の者達が口々に、天使を見たや妖精のよう等と、騒ぎ経つ者が多くなってきたぞ。」

「そうなのですね、わたしは良かれと思ってやっているので特に差し支えなければ、噂吐きにしておりませんよ。それに私はやるべきことがあるので、そんな事にか負けてなんて居られませんよ。」

「ふむ...見ない間に、あの可愛かったミリアが少し反抗に入ってしまったようだ...だが致し方ないな」


そんな見え透いたようなやり取りをしてきて、アルフレッドお兄様を狩り立てようとするのはほんとにいい性格してますよ!いやほんとに!


それを眺めていたお兄様は、やはりと言って私を目の敵にしてるような目で見てくる。絶対と言っていい程に、王位継承権はお兄様が有利だと言うのにこの鋭く刺さる雰囲気はなんなのか今はまだその答えは導き出せない。


そうしていると、執事長が入ってきたどうやらここにとうされるようだ。それから少し待つこと、私達が待っていた人物達が入ってくる。


「失礼しだします。国王陛下並びに王子殿下に王女殿下、此度は婚約のお誘い誠に有難うございます。ソフィ挨拶なさい。」

「国王陛下、並びに両殿下にご挨拶申し上げます。オルフィリア公爵家の長女でソフィアと申します。本日はよろしくお願い致します。」


そう言って綺麗なカーテシーで挨拶をしてくれるソフィア様は、仮面を被って淑女として挨拶を交わしてくれるのだった。






◇◆◇◆◇◆


お読み頂き、ありがとうございます!


より多くの人に読んでもらうため


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〈あとがき〉


久々の更新ですね(;°;ω;°;)

色々(仕事)と忙しかった為に遅れてしまいましたが、12月からはある程度途切れないように投稿していきたいと思っていますので、引き続き楽しんでよろしくお願いします。


次回は、婚約話とミリアの計画実行となります。


それではお楽しみに(ノ˶>ᗜ​<˵)ノ

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