第2話


専属侍女を決めてから2日が経ち、私は落ち着いた日々を送っていた。この2日間でレニアの優秀さを見ることが出来た。


私が、最初に出会った時に言葉を交わしてこんな事をレニアに問いかけてみた。


「これからよろしくねレニア」

「はい、よろしくお願いします姫殿下」

「もう!そんな畏まった呼び方は、何だか嫌だわ。私の事はミリアと読んでちょうだい。」

「それは命令でしょうか?」

「いいえ、私からのお願いよ。命令ではないから断ってくれても構わないは、だけど私は出来れば貴方と仲良くなりたいの、ね?どう?」

「・・・・・」


そう言うとレニアは、考えるように口元に手を被せて何かを考えて、結論が出たのか私に発言する。


「それではミリア姫と呼ばせていただいてもよろしくですか?」

「ええ!嬉しいわレニア」


私は、その言葉を聞いて満面の笑みを浮かべるとレニアは、少しばかり出会った時からいつも真面目な顔をしていたレニアが口元をピクッと動かしたのが見えて、何だか忠犬見たいだなんて思ってしまった。


それからのレニアは、本当に優秀でレニア会う前の2日間で、お父様から各方面の書類仕事の一部を渡されて、試されているのだと思って私はそれに取り組んでいた。


その仕事も、レニアに聞いてそれを参考にしたり分からない所などを聞いてみたりして、本当によく答えてくれたと思っている。


どれも、的を射たように私の問い掛けに答えてくれる。その鍛えられた体でテキパキと仕事をしてくれるあたり、選んでよかったと思えた。


シャルロネ家は、皆脳筋と思っていたけど妹であるレニアは、かなりの頭脳だろうとは思った。


(だって、攻略対象のグレムは真っ直ぐで筋肉を誇示するタイプだったし、割とおバカという訳では無いが、臨時教師の時とか、体を動かせなんて、言ってたから家族もそうなのだろうなんて、偏見してたけどレニアを見ているとそうでも無いのだろう。)


多分だけど、その間に起きる事でグレムは戦場へと駆り出されて力鍛えた方がなんて考えていたのかもしれないわね。でもゲームだからそんな細かい設定とかはないかもだけど、現実であれが起きたらそうならざる負えないだろう。


過激と言えばそうなのだか、何故こんなことを?なんて思う時もゲームをプレイする私や他のユーザーも思っていたのだろう。


まぁ現実とゲームを比べても何も変わらないんだけど、そんなこんなで私ミリアはレニアが来てたった2日で、お父様から出された書類を片付けることが出来た。


とりあえずは、侍女長に終わった書類をお父様に渡して貰って執務室でレニアに入れてもらった紅茶を飲む。


「ミリア姫、少しだけ質問してもよろしいでしょうか?」

「珍しいわね、レニアから話しかけてくるなんて、勿論構いませんよ?」

「それでは、質問させて頂きます。何故そんなに頑張ろうとするのですか?ミリア姫はそのようなことをなさらなくても、よろしいと思うのですが」


レニアにそう言われて、私は少し落ち着かせるように息を吐きレニアの質問に答える。


「それは王族だからという事もあるますが、一番の理由は私がそうしたいから、ですわね。」

「ミリア姫がしたいから?何故?」


そう聞かれて私は、まだ2日半程しか経ってないレニアにいってもいいのだろうか?と思ったけど、口が硬そうなレニアになら大丈夫そうと直感だが、そう思えた。なので


「私は、お兄様...今はまだ立太子されていないけど、望むなら私がこの国の王位を授かりたいと考えています。」

「っ!そ、それは....」

「ええ、女で王位についたものはこの王家には存在しません。歴史上先代から先々代に渡って全て男性が王位をついでいます。だから私はできる事をこなして優秀さを私のお父様...国王陛下に、認められるべく些細な仕事でも引き受けたいと思っているの。だからどうか私の力になって?貴方は仕事もそして、剣術・・も優れているのだから。」


そう言うと、レニアは、少し驚いた顔を見せてくれる。何故知って知るのか?なんて野暮な答えは言わないわ。だって手の平に黒いグローブをつけているのだから、この国では女性騎士は多くない、殆どか男性で構成された物で、たまに冒険者や傭兵に身を置く者たちはいるけど、それ程いないのだ。


女性は殆ど魔法使いやら書類仕事や裏で管理側に着くことが多いから、騎士になると男勝りやら脳筋、男の劣化版なんて言われているようなものなのだ。騎士団でも女性騎士入るが待遇は男性とは雲泥の差給金も同じだからやっかみも受けているからこれもいずれは解決されたい案件だ。


だから、私が剣を握っていることを知っているから動揺もするだろう。だけど、私は


「別に、それを咎めたりなんてしませんよ。寧ろ堂々としていた方が、私は好きです。」

「す、好き!?えっとでもこの国では....」

「確かに、それはあるのでしょうそういった偏見で、つきたい職業を女だからと蔑むのは、私も嫌になります。だから私は出来るとこならそれも改善して行きたいと思っています。目標としては、偏見がなく皆が明るく過ごせる。環境作りを心がけたいと思っています。だからこその王位という事です。」

「・・・・・」


そう私はレニアに告げると、眩しいモノでも見ているかのようにレニアは少し口を開けて私を見ていた。

(まぁでも私の欲望のためなんて言ったらレニアも引くだろうし、それなりの理由を並べて話したけど、案外スラスラと言えるものね)


そうただ、自分の目的を正当化するための方便という事はレニアは全くもって知らない。


そんな、気高い心を持ったような考えなんて一切ないし、目的の為なら偽って貫いて嘘で固めて言ったところで、全く問題なんてないと判断するように、口から出任せをペラペラと息を吐くように嘘を並べる。


少ししてレニアは


「ミリア姫殿下....貴方という人は...ええ、わかりました。不詳レニア・シャルロネミリア姫のお役に立てるように、これからも頑張っていきます。」

「ありがとうレニア、心強い味方をへと私は嬉しいわ。これから忙しくなると思うけど、よろしくね。」

「はい!ミリア姫!!」


そういって、たった2日でレニアを堕すことに成功した。モブとはいえ可愛い部類だけど、余りそそられないからお手つきは無しかな。

ミリアはそんなことを思いながらレニアに微笑むのだった。




   ◆    ◆    ◆




それからは、場内の様子も変わりなく穏やかな日々をすごしていた。あの書類仕事から、陛下は私にも相応の教育をしてもいいと判断したのか、離宮の管理権を、一時代行という形で渡してくれた。


急激に進む、この流れに私は振り落とされないように、出来る限りの事を務めて融通の利く所まで上り詰めた。


ほう私が欲しかった、城内から出られる権利、お忍びで王都内を歩けるその権利を貰えるまで役2週間半、私やレニアは乗り切ることに成功したのだ。


なんともこの期間で友人のようになったレニアとの関係、前世での一緒に回った友人のようなかけがえない親友と言ったものに、私たちはなっていた。


「ミリア様、この様な平民が着る服で行かれるのですか?」

「ええ、だってお忍びなのよ?貴族として行くのでは、視察にならないじゃない。」

「ですが、平民の服だとしても、ミリア様のその....綺麗過ぎて逆に目立ちそうなのですが」

「ええ、この髪色だと貴族ましてや王家の物だと勘づく、ほかの貴族がいるわね。」


そう、銀髪は王家や降格して公爵家などに見られるモノどうしても目立つのだ。だから


「大丈夫、侍女長に頼んで魔法のこもった瓶を貰っておいたから、これを少し髪にふりかければ、どうこれなら髪の色で、とやかく言われる問題は無いでしょ?」

「ええ、完全に髪の色が茶色になっていますね。この魔法効果はなんなのですか?」

「魔塔で、最近開発されたモノよ、効果は半日髪を染めると言った効果かしらね?」

「そんな物が....凄いですね」


そういって興味深そうに、瓶をみるレニア勿論これも、私の暇つぶしに作ったもので、効果は3時間だったけど、魔塔に言って話した時には、大絶賛していたのは言うまでもない。そのレシピと定期的に一定数の量(1ヶ月2つ程)を貰うと言う契約で、取引をした。まぁその過程で、次の月には1割の収入とまたこの瓶を貰えるから。もうお小遣いに困る事はないわね。


なんて思っていた。護衛も兼ねてレニアには着いてきてもらってけど、この時の為に会えて秘密にしてたから驚くのも当然よね。


それからは、長い髪を巻いて帽子を被り少女か少年か分からないように変装する。スカートだと女の子だとバレるから会えて少し綺麗な平民風を装う形だ。


今の姿も、いいねなんて思えるほどには割と気に入ってる。そして側仕えとしてレニアにも着替えてもらったけど、普通に似合っていたから「いいわね」なんて言って笑顔を見せていた。


今までは、少し偽って行動していたけど、レニアといると何だか不思議と落ち着く。そう長年付き添った好みが別れていても楽しく過ごせるそんな友人のような


そう思って、私とレニアは王都の視察に行く為に、王城を後にする。


王都の街について、私はそこ活気の良さに感動していた。ゲームでは通路だけが描かれて人々なんて映し出されていなかったから、こんなに人で溢れかえっていることに感動してしまう。


私はその場にある屋台や人を見ていた。そして久々に前世でよく見かけた串焼きを見て私は


「おじさん、この串焼き2本貰える?」

「おう!坊主!!お姉さんとお出かけかい?」

「うん!今日は色々とみて回りたくて無理してお姉ちゃんに頼んだんだ!ね?レニアお姉ちゃん」

「え、ええ、弟がどうしてもって言うから」

「そうかい!なら記念に2本持ってけ坊主!」

「え!いいの!?ありがとうおじさん!」

「おう!また来てくれよな!!」

「うん!」


そういって、串焼きのおじさんから2本貰って近くのベンチに座る。


「ミリア様、あんな特技があったんですね。私びっくりしましたよ。それにお姉ちゃんなんて。」

「でも髪色は同しですし、あのおじさんも姉弟と思ってくれてたから、その方が都合がいいかなって思って、ダメだった?」

「いえ、そういう事でしたら問題ありません、それに何だか癖になりそうです。((ボソッ…」


私に聞こえないように言っているのだろうが、私には聞こえてますからねレニア?


それから、貰った串焼きを食べてお互いに「美味しい!」なんて言い合って、食べる。


それから私たちは人通りが多い場所を抜けて、下町、スラムの近い付近に来ていた。

物語では、ヒロインちゃんは、この周辺で過ごしていたと記されていたから、恐らくこの辺りだとは思うのだけど。


「おい!いるのは分かってんだ!!さっさと出てこい!!」


そんな叫ぶ声が聞こえて、私とレニアはその場所へと向かい、何があったのかを影から見る事にした。3人組の男が小さな家に押し掛けている。恐らく借金取りか何かだろう。


こんな光景、前世でもよく見かけていたけど、虫唾が走る。レニアも「あれはなんだ」なんて怒りを露わにしているから。


なんとも言えない、そしてドアが開かれて中からピンク髪の女性が現れる。それを見た瞬間にえ?と思ったピンク髪と言えば主人公の髪色、多分だけど顔立ちからして、母親だろう。


その母親に3人組は


「そろそろ返してもらわないと困るんですよこちらは、あなた方の父親が借金していたものを返してもらわないと、俺たちは困るんです。」

「ですが、そんな金額私たちでは払えません!!それに私たちの夫はそんな額借りてもいません。」

「だけどね、こちらには証拠があるんですよ。これあなた方の父親のサインでしょ?」

「ですが...」

「つべこべ言わずに払え!!なんなら娘さんを連れて行ってもいいんだぜ!!」

「そ、それだけは!!」


そんなやり取りを見て私は怒りを顕にしながら、私とレニアはその場にいくのだった。





◇◆◇◆◇◆


お読み頂き、ありがとうございます!


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〈あとがき〉


ついにヒロインちゃん登場か!?


次回、借金取りとバトルとヒロインちゃん達救出!!


楽しみにしててね( ´›ω‹`)💕


ではでは(・・o)/ ~

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