第2話 神絵師、地上へ
女神がたいそうブチ切れながら、使役する鬼に神絵師を捕まえてくるよう言ったんじゃ。
神絵師は捕まったらどんな目に合うかわからぬので当然逃げた。
追ってくる鬼がすぐ後ろまで来た時に神絵師がおもむろに推しCP本を投げると、たちまちCP本が増殖し鬼どもの行く手を阻んだ。
鬼どもは学パロ本を読み漁り、「ABも味わい深し」「続きを寄越せェ!」とまだ追いかけて来たんじゃよ。
神絵師が推しCP絵を入稿し後ろの印刷所へ投げるとたちまち推しCP概念グッズが増殖し鬼どもの行く手を阻んだ。鬼どもは一心不乱に痛バッグや推しCP概念コーデを作り、「推しCP概念最高!」「普段使いできるグッズ最高!」とさらに追いかけて来る。
心なしか鬼どもの数も増えておったのう…
今度こそ神絵師が鬼どもに捕まってしまう。
そんな時に神絵師が“推しCP匂わせタイトル(一見普通のスローガン)”を後ろの競馬場へ投げたんじゃ。
するとたちまち“推しCP記念レース”が生え、鬼どもは競馬へ吸い込まれていった。
鬼どもは馬券を握りしめ、「推しCPレース最高!」「馬かわいい!」と泣き崩れ、とうとうその場から動かなくなってしまった。
これはもう鬼に任せてはおけぬと思った女神は神絵師の元へ駆け寄った。
何馬身も差が開いておったのに一気に神絵師の後ろへ迫る女神の追い上げたるや、それはそれはすごいものじゃった。
神絵師に「逆CP解釈違いです!ABではなくBAが公式です!間違ってます!」と詰め寄る女神を神絵師はブロックしたんじゃ。
なおもお気持ちマロや別垢からリプを飛ばしてくる女神に、神絵師は言ったんじゃ。
「そなたは地下で、私は地上で暮らそう」と。
こうして地下では毎日1000ものBAが、地上では毎日1500ものABが生まれ、二次創作からさらにCDEF…も生えた旬ジャンル村は今日もたくさんのオタクたちが“尊い”を共有しあい栄華を極めておるそうな。(完)
-あとがき-
「走り出すその理由がたとえどんなに下らなくても」と言いますが、
理由もなく完全見切り発車で爆走し、それでもゴールテープを無事に切ることができました。
つまりパッション。もうパッションがあればなんでもできる気がしました。
許せるもの、許せないものあるかもしれないけどみんな棲み分けていい感じに楽しくオタ活しような!人生短し、楽しめオタク!
パワー。
日ノ本腐女子神話 @botamaru-yuki
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