第3話 どちらの味方になるかGとHで比べまして
どうも、奴隷狩りに襲われてたエルフちゃんことアレイナを助けたぷるぷるスライムです。
俺は普通のスライムを装って、奴隷狩りのボスと思わしき女に近づく。
「あんたたち、手は出すんじゃないよ。処女のエルフは高値で売れるんだからね」
「「「「うっす!!」」」」
「ほらそこ!! 怪我の一つでもさせたら買い叩かれるんだ!! もっと優しく丁寧に手足を縛りな!!」
ああ、良かった。
どうやら性的な意味では襲われてはいないようだ。エロ同人みたいに!!
……はい、言ってみたかっただけです。
真面目にアレイナの姉と妹を助けるために頑張ろうじゃないか。
「ん? スライム? 珍しいね、ここら辺には生息していないはずだけど」
女ボスが俺の存在に気付いた。
ボン・キュッ・ボンのメリハリのある素晴らしいスタイルの美女である。
艶のある黒髪と蛇を彷彿とさせる黄金の瞳。
しかもそのスタイルを強調するような露出度高めの衣装に俺の心臓もドッキドキだ。
……スライムにあるのは心臓じゃなくて核の魔石だけだけどね。
ぷるぷると可愛く揺れながら女ボスに近づいて、その足にすり寄る。
むひょー!!
太ももがムッチムチでえちちじゃないですか最高ー!!
「おや、なんだい? やめな、くすぐったい」
俺はぷるぷる震えてアピールする。
すると、何の疑いもせずに俺をひょいと持ち上げて撫で始める女ボス。
あふんっ、そこおっ、触っちゃらめえっ。
「ぷるぷる」
「あんた、あたしに甘えてんのかい?」
「ぷるぷる」
「……ふふっ、かわいいじゃないか。うちの子になるかい?」
あ、なりたいです。え、なっていいの?
「じとー」
「ぷる!?」
草むらの方から視線を感じる。アレイナだ。
お、落ち着こう。
今はアレイナの姉と妹を救出することが最優先だからな。
「ぷるぷる」
「ひゃんっ!! こ、こら、どこ触ってんだい!!」
どこっておっぱいですが? おうふっ、このぱふぱふ感が堪んねっす!!
「ボス、何遊んでんですか?」
「べ、別に遊んでるんじゃないよ!! このスライムがやたらと谷間に入ろうとしてきて――ひゃん!!」
「……羨ましいぜ。オレらもスライムに生まれたかったな」
女ボスの谷間に身体を突っ込んで堪能していると、奴隷狩りの男たちが心底羨ましそうに俺の方を見ている。
ふっ、所詮は生身の男。
女の子にこんなことしたらセクハラでフルボッコ案件だろうが……。
今の俺はただのスライム!!
ちょっとやそっとのセクハラならしても許されるのだよ!!
俺は谷間から女ボスの服の中に侵入した。
レッツ、スライムプレイ!! ぷるぷるヒャッホゥ!!
「あんっ、こ、この、どこ入ってんだい、んっ、こら!! やめなってば!!」
「「「じー」」」
奴隷狩りの男たちが乱れる姿を見せる女ボスをまじまじと見つめる。
「あー、へへ!! ボス、オレがそのスライム取りましょうか?」
「おい!! 抜け駆けするな!! あ、あっしがやりますぜ、ボス!!」
「いやいや!! ここはオレが!!」
「いや、オレがやる!!」
「オレがやるって言ってんだろ!!」
よし、今だ!!
アレイナが草むらから音を立てずに飛び出して、奴隷狩りたちの目を盗み、彼女の姉と妹の拘束を解いて救出した。
あとは俺が奴隷狩り共を蹴散らすだけで計画は完了するわけだが……。
「あんっ、んっ、ひゃんっ、こ、この、や、やめなって言ってるじゃないか、やらしいスライムだね!!」
あと五時間くらいこうしていたいなあ!!
だってこの女ボスちゃん、すっげーいい匂いするんだもん!! くんかくんか。
「じとー」
はっ!! ま、またアレイナから咎めるような鋭い視線を感じる!!
いや、でももう少しこの感触を――
楽しみたい、と思ってちらりとアレイナの方を見ると、あるものが俺の視界に入った。
それは、女ボスちゃんの大きなおっぱいよりも更に一回りは大きなおっぱい。
おそらくアレイナの姉であろう人物のたわわに実った果実である。
俺は女ボスちゃんからパージして、アレイナの姉のおっぱいに飛び込む。
「ひゃん!! あ、あらあら……」
「このエロスライム!! 自分の役割を全うしなさいよ!!」
じゃかしいんじゃ!!
俺は大きいおっぱいが好きなんだよ!!
女の子のおっぱいは、たわわであればたわわであるほど良い。
小さいのも大好物ですがな!! でゅふふ!!
見ればアレイナの姉は超絶美人だった。まあ、アレイナも美少女だからな。
姉の方はツンデレのアレイナと違ってゆるふわ系だった。
髪と瞳の色はアレイナと同じ金髪と青い瞳で、垂れ目なのが高得点だな。
やはり露出度の高い衣装をまとっており、エロスの波動を感じる。
ニヤニヤが止まりませんな!!
「はあ、はあ、はあ……。あ、あんたたち、何やってんだい!! エルフが逃げてるじゃないか!! とっとと捕まえ直しな!!」
「す、すいやせん!!」
慌てて奴隷狩りたちが俺たちを取り囲む。
「このスライムはあんたの差し金かい、エルフのお嬢ちゃん?」
「え? いや、違っ」
「まったく。こんなやらしいスライムをけしかけてくるなんてとんでもない変態エルフがいたもんだね!!」
「わ、私じゃないわよ!! そこのスライムが考えた作戦よ!!」
「……はあ? 何言ってんだい?」
「いや、私もそう思うけどね!? このスライム喋るのよ!!」
あらぬ疑いをかけられて弁明するアレイナ。
「ぷるぷる。俺、スライムだから何言ってんのか分かんなーい」
「コロス!!」
「はぎゅ!? ちょ、あ、アイアンクローはやめて!! んほっ、い、痛い!! 痛いけど美少女からの暴力はご褒美デス!!」
俺がアレイナとじゃれ合っていると、女ボスが目を見開いて驚く。
「な、スライムが喋った……?」
「どーも、スライムです。ところで貴女のお胸の大きさを窺っても?」
「あたしはG……って何を言わせるんだい!!」
「オゥ、ジーザス。素晴らしいものをお持ちで」
続いて俺はアレイナのお姉ちゃんに訊ねる。
「貴女のお胸は?」
「あら? 私?」
「イエス。参考までに教えていただきたい」
「何の参考よ!!」
「あらあら、えっちなスライムさんね。Hよー」
「姉様!? 何故に答えた!?」
GとH。どちらの味方になるか、決めたぜ。
俺は女ボスちゃんの方に改めて向き直り、ペコリと頭を下げる。
「誠に残念ながら、あなたのペットになるという選択肢も良かったのですが、今回はご縁が無かったということで」
「なんであたしが振られたみたいになってんだい。――でも、賢い選択肢ではないね」
「というと?」
「こっちの方が有利ってことさ。自慢じゃないけど、あたしの部下たちは優秀な元傭兵でね。エルフ三人とスライム一匹、軽く倒せる。どうだい? 今ならまだこっちに寝返っても構わないよ」
ふむ、奴隷狩りは女ボスちゃんも含めて十人。
たしかに数の上では向こうが圧倒的に有利なのだろう。あくまでも、数の上では。
「一つ言っておく」
「なんだい? 寝返る気になったかい?」
「いいや。でも俺は、かわいい女の子が大好きなんだ。だから見逃してやる。今なら怖い思いもしなくて済むぞ」
「……言うじゃないか。どうするってんだい?」
「こうする」
まだスライムに生まれ変わってから半日も経っていないが、この身体の特性は理解した。
スライムのぷるぷるボディーは魔力の塊だ。
核となる魔石を中心に魔力が集まってぷるぷるを形成している。
体内に魔力を取り込むことで、一時的に体積を増やすことも可能だ。
そして、勇者だった頃におっぱいと同じ感触のスライムを触りまくっていた俺は知っている。
スライムには他の魔物と少し違った、変わった生態があることを。
外敵から身を守るため、スライムはその外敵が天敵とする生き物に擬態するのだ。
まあ、擬態すると言っても形だけ。
完全に別の生き物へ変身するわけではなく、ドロドロの何かになるだけだが。
それでもこの生態を利用して相手にトラウマを植え付けることはできる。
俺は大気中の魔力を取り込み、一時的に体積を大きくする。
増大した体積を用いて形成するのは、一つ前の人生の俺、魔王だ。
「な、なんだい、これは……」
「竜魔王ヴェルハザード。かつて七つの国を滅ぼし、数多の英雄たちを葬り去った邪竜。名前くらいは聞いたことあるだろ?」
まあ、形だけのなんちゃって魔王だがな。
「もう一度言う。去れ」
「ひっ、あ、あんたたち!! ずらかるよ!!」
「「「「へ、へい!!」」」」
判断力が良いな。
多少は向かってくると思ったが、迷いなく逃げ出すとは。
彼女は長生きするタイプだな。
「ふぅー、一件落着!!」
「あ、あんた、何者なのよ?」
「普通のスライムですが?」
「あんたみたいなスライムが普通だったら今頃世界中がパニックよ」
俺は元の形に戻り、再びアレイナのお姉ちゃんのおっぱいに飛び込もうとして――
「うぅ、怖かったのだあ!!」
「わぷっ!!」
アレイナの妹ちゃんの方が俺に抱きついてきた。
おふっ、こ、この妹ちゃん、意外とたわわなものをお持ちだぞおう!!
……姉と妹はたわわな果実をお持ちなのに、アレイナだけぺたんぬなのか……。
「アレイナ、ドンマイ!!」
「何に対しての言葉か分からないけれど、本気で八つ裂きにしてやろうかしら」
これが、俺たちの出会いだった。
――――――――――――――――――――――
あとがき
ワンポイントスライム(主人公)設定
敵が美少女美女なら普通に寝返る可能性が出てくる。
「このエロスライムが!!」「おいスライム、そこ代われ」「わいもスライムに転生したい」と思った方は、感想、ブックマーク、★評価、レビューをよろしくお願いします。
二度目の異世界転生はスライムだった俺、エルフ三姉妹の最強ペットになりまして。 ナガワ ヒイロ @igana0510
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