掌編小説・『コスプレ』

夢美瑠瑠

(これは、今日のアメブロに投稿されたものです)



 ボクは、夢を見ていた。

 文字通りに、就寝中に見るほうの「夢」である。

 

 こんな夢だった。

 ”あの”ちゃんが、アマガエルのような緑色の衣装を着て、「アマガエルのコスプレをしてみましたー」と言う。

 あの、”あの"ちゃんである。タワラマチに似ている?気もするタレントの人である。


 「なんで?」と訊くと、「そのうち分かるから」と、答えた。

 なぜにカエル?それもアマガエル?と、訊いたつもりである。

 つまりしかし、合理的な理由があるらしい。

 

 会話とかしているうちにわかるといって、焦らしているのだろうか?

 ボクと会話をしてくれるのか?したいのだろうか?

 ひょっとすると、僕が好きなのだろうか?


 あのちゃんはひひひっつと笑って、急に下を向いてもじもじし出した。

 「?」

 「実はねえ…ずっと前から、私は貴方が…」

 「えっつ?えっつ?」と、ボクは焦って、生唾を飲み込んだ。

 

 「あの…好きだったの💓」と、あのチャンは告白して、顔を赤らめた。

 ボクは、動転したが、あのちゃんのことを好意を抱いてはいたので、非常にうれしくなって、

 「えーと、ボクも…ボクも…ぜんぜん好きですけどね?」と、答えた。

 

 が、 次の瞬間に、可愛かったカエルの緑色が、真っ黒に変わって、あのちゃんだったカエルは醜い老婆になってしまった。

 

 「?」

 「わからないの?これがホントの”カエル化現象”…」


 「なんだそれが言いたかったのか!姿をカエルってか?かんガエルだにばからしい!」


 腹を立てたところで夢が覚めたのだった…


<了>


 

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