第4話 牛丼屋で妄想する
俺は、牛丼屋でバイトした三年間で、とても有益な統計データを得た。
それは、牛丼屋に来る女の八割方は”巨乳”だということだ。
残り二割も”巨乳”というほどではないが、それなりにでかい。
おそらく牛肉という素材に、巨乳の女たちが欲しがっている何かがあるのだろう。
そして、これまた俺の統計の結果だが、ほぼ間違いなく牛丼の大盛を注文する。
俺の見たところ、でかい乳を維持するために、大量の肉が必要なのではないかと推測している。
牛丼屋には巨乳の女を惹き付ける何かがあるのだろう。
ある日のこと。
そろそろバイトも終わりの時間というところで、ひとりの女がやってきた。
胸までかかる長い黒髪をなびかせた、ちょっと生意気そうな女。
だが何より驚いたのはそのぱいおつだ。
俺が今まで見た中でも、抜群にでかいサイズの
「いらっしゃいませ」
俺は手慣れた調子で女の前にお
女はその大きなバストをカウンターにゆっさと載せると、しばらくの間、俺のことを品定めするように見つめた。
そして、
「ねえ、あなた。私が何を注文したいかわかる?」
と言った。
その言葉はとても挑戦的だった。
牛丼屋で働く俺に対する挑戦。
はちきれんばかりの巨大な胸が俺の闘争心を燃やす。
「――もちろん、わかりますよ」
俺は一呼吸置いてから、
「牛丼の大盛。あなたほどの持ち主だったら、おそらく味噌汁付き」
女は俺の返事を聞くと「ふふふ」と笑い、
「ご名答」
というと胸の谷間から千円札を取り出した。
胸に挟まれた汗でじんわりと湿った札。
俺はそれを受けると厨房に、
「牛丼大盛いっちょ」
と声をあげた。
俺の中の統計データに、またひとつデータが追加された。
ちょいエロ妄想劇場 市乃川英 @dedeo4126
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ちょいエロ妄想劇場の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます