詩
マァーヤ
詩
ちょっと長い通学路の 朝の光りが好きだった
もう切られてしまったけれど
ほんの一瞬感じた あの桜並木が好きだった
風に想いはのると信じていたし
自転車で通り過ぎてゆく きみの背中も好きだった
雨が降れば落ち込んで 雑な歩きで足元よごして
雨上がりの土の匂いが 今頃懐かしく思うとか
時の流れのはやさは人それぞれと
いった先生の言葉が いまさら胸の中痛くして
あとどれくらいだろうと 終わりを考えている
めんどくさいから戻りたいわけじゃないけれど
なにかを成したいと日々ため息ついている自分
こたつに入って 扇風機かけて
半額のパン、かじっている
誰よりも制服が嫌いで 誰よりも制服に憧れた
あの頃の理不尽な矛盾に反抗できた素直さは
社会がしみついて
そっけない帰り道を歩くだけの、ひとになりました
ちょっと長い通学路の 朝の光りが好きだった
詩 マァーヤ @maxarya
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