第16話 もう一度最強を
夜遅くまで続いた入社パーティは、少しずつ終わっていった。
1人は終電だから。1人は酔い潰れたから。1人は眠くなったから。
皆それぞれ理由があり、各々帰っていった。
かくいう俺もその1人だった。
「じゃあ、お疲れ様でした」
眠気と酔いからくる眩暈に耐え、一度礼をしてからその場を立ち去る。
(まだこの時間だとアストは動いてる)
時計が指し示す時間は10:30。
終電にはまだ程遠い。
近くにある駅を見てみると、案外空いており利用者は殆どいない。
数時間前までは会社員がごった返しをしていたというのに...。
少々歩き改札に近づくと、IC系統のカードをポケットから取り出し、ICカードタッチ部分に近づける。
無機質な甲高い音が一つ聞こえると、先程まで閉まっていた改札は勢い良く開き、駅のホームまでの道を開けてくれる。
駅のホームには俺1人。
鉄を踏むようなカンカンとした音がよく響き、反響音としてこちらに帰ってくる。
駅のホームの椅子に思いっきり体重を預け────つもりだったのだが、すぐに電車の到着音がする。
電車が到着すると、プシューという音と共にドアが自動で開き、中の様子がマジマジと見える。
中には1人2人いるぐらいで、基本的には駅のホームのようにガランとしている。
座ってしまうとそのまま寝てしまうような気がしたので、吊り革を手に持ち、電車に揺られる事にする。
暇なので周囲を見渡すと、いびきをかいているオッサンやら、泣き顔の女性が目に映る。
(うわぁ...闇深そ...)
想像するに、社畜のオッサンと、何かあった女性。
自分は
『次は不動院前駅〜。次は不動院前駅〜』
という声がいつの間にか車内に流れており、ここで降りなければ。という使命感に駆られる。
乗車時と同じような音を聞いた後に、電車から降りる。
アパートに着くと時刻はすでに11:00を回っており、外の電気には蛾が舞っていた。
鍵を勢いよく差し込みドアを開けると、そこに待ち受けるは見慣れた光景と、嗅ぎ慣れた匂い。
たかだか半日開けていただけなのに、半年ぶりぐらいに帰ってきたような錯覚が起きる。
しかし、そんな錯覚も所詮錯覚。
数秒後には消え失せていた。
手短にシャワーを済ませようと、タンスから着替えを取り出し、風呂場に向かう。
誰も準備していないので当然沸いていない風呂を眺めながら手短にシャワーを済ませる。
風呂場から出た後に、彼は水道水を一杯飲み干すと泥のように眠っていった。
〈あとがき〉
投稿が遅れてしまいまっっっっっことに申し訳ありません!
ちょいとスランプに陥ってましてね...
でもですね、とある人(名前を勝手に上げてもいいのかわからない)に滅茶苦茶作品をほめて頂きまして、どうにか立ち直った次第でごぜぇます。
そして、この作品をカクヨムコンに出そうと思っています。なので、作品のレビュー等々お願いします!
[圧倒的感謝!3万PV!]ダンジョン配信者になることは承諾しました。でも、ハーレムになるなんて聞いてない!!! 下手な小説家 @hetanasyousetuka
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