第2話 集いし仲間
突然だが、僕たちモンスターは人間の暮らしている地上の事を下界と呼ぶ。
僕たちが暮らしているのは上界。
この呼び名は生まれた時から基本的に使われていたものだし、誰が言い出したのかもわからない。
だが、人間への恨み嫉みなどの悪感情が肥大化して生まれた言葉だというのはわかる。
───まぁ、何が言いたいのかと言うと、それ程までに僕たちモンスターは人間のことを恨んでおり、殺したいと考える輩も少なくない。
今となっては、僕もその一人だ。
「僕は、人を殺しに行きたいと思う」
そんな言葉を広場で呟いた。
呟いた一瞬は、賛同してくれる同志も多かったが、彼らは少し考えた途端に冷静になり、その場から離れていった。
「お前、
そんな僕を見かけてか、彼は僕に話をかける。
「いや、
「しかし、───与えることができただけだろう?我々は今までにないほどの勢力と物資を用いて戦争を仕掛けた。でも、負けたんだ。我々は全力で戦い、負けたのだ」
「で、でも!!!」
「───お前も大人になれば分かる。戦争の敗因。そして、勝ち目のない現状。この悪夢が」
話は平行線。
「じゃあ、お前ら大人はあれか?自分たちが傷つくのが嫌だから、後の世代の奴も傷つけていいのか?この地獄のような現状を変えようって気はねぇのかよ!!!!」
大人と子供で何が違う。
保有している知識の量か?
生産性か?
それとも、永遠に負けることを選ぶ
反吐が出そうな話に終止符を打つ。
「だったらもういい!!俺は一人でこの世界を変えてやる!!!」
「......ああ。出来ると良いな」
彼は止めなかった。
若者の熱量に感化されたのか、このモンスターに、他とは違う何かを見つけ出したのか。理由は定かではないが、───止めなかった。これが意味する事は明白だろう。
僕は怒りながら広場を後にする。
¥&¥&
自分の部屋に戻り、身支度をする。
ここからはどんな旅路になるか分からない。だからありったけの物をバックに詰め込む気だった。
そんな中、ドアからノック音が聞こえる。
リズムよく3回ほど響いたノック音は、運命の音だったのかもしれない。
「にゃぁ~。入ってもいいかにゃ?」
姿かたちは見えないが、しゃべり方的に
僕と同じ人型のモンスターで、頭には猫耳。お尻には尻尾が生えている。
「ちょっと待ってて」
そういうと、僕は立ち上がりドアノブを捻り、ドアを開ける。
そこに立っていたのは僕の予想通りの
「なにかあった?」
首をかしげる。
今までに僕は
「ちょいと、ご相談があってにゃ~」
「さっき広場で、人を殺し行くって言ってたよにゃ?それで、私たちもそのたびに参加させてもらいたいにゃ~...なんて」
私たち...そう言って見せてきたのは、先ほどまで後ろに隠れていていた白色の
「私たち、親を人間に殺された孤児なのにゃ!だからその~、にゃんと言うか...」
「つまり僕の復讐劇についていきたいと?]
「そう!そういうことにゃ!!!話が早くて助かるにゃ~」
そういうと僕に部屋の中を物色しながら、言ってくる。
「どうやら見たところ、まだ準備中みたいにゃし、いいかにゃ?」
単体で戦闘するのと、パーティーで戦闘するのは勝手が全く違う。
戦闘時は複数人で戦闘できるので楽だが、その分回復品や食料品の数も3倍。
戦闘時と平常時、どちらを取るかを天秤に乗せ、考えていた時に間から割り込みで提案される。
「ん...どうせ冒険者倒すことができれば...物資はどうとでもなるはずにゃ...だから今とるべきは...戦闘人数...違うかにゃ?」
先ほど黒猫が見せてくれた白猫。
「確かに!!流石ヴィニャーラちゃんにゃ!!今日も頭が冴えてるにゃ~!!!」
そういいながら頭を撫でる。
「...ちょっとお姉ちゃん恥ずかしいにゃ...」
少し照れているがまんざらでもない様子。
甘い空気がこれ以上部屋の中に充満するのを阻止するため、僕は口を開く。
「じゃあ、それで行こう。出発は明日の早朝」
「おっ!決まりにゃね!」
「あ、そうそう、僕の名前はハレ=ウイヨ。よろしくね!」
「私の名前はコタマ=ヴェリウスよろしくにゃ~!」
「...私の名前はヴィニャーラ...ヴィニャーラ=ウイにゃ...よろしくね。お兄さん」
こうして仲間を手に入れた悪鬼は、ここから始まる冒険に心躍らしたのだった。
───
いやー、いつか猫耳系統のキャラ書いてみたかったんですよねー。そんな思いがあふれて、二人も書いちゃいました!今の私は元気なので猫二人も書いちゃいます!!
(このネタが分かった方はどうぞコメント欄に)
ということで、いつものやつ~(猫型ロボット風)
ブクマ、ハート、感想、星、等々お願いします!!
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