感想16『壊れた世界からようこそ。』やこうせい様
■こんにちは、天音朝陽です
世界のどこかに、主人公にとって会いたい仲間が二人いる
『壊れた世界からようこそ。』
作者 やこうせい様
https://kakuyomu.jp/works/16816927861561511864
*感想を書く上でストーリーの説明が必要でしたのでネタバレがあります。
★柔らかい文体(個人の感想)
★現段階では主人公が旅立つ前
★じいちゃんと、ばあちゃんにホロリ
■
ご依頼は5話まででしたが、休日で時間もありましたので現在掲載中の11話(4万文字ほど)まで読ませていただきました。
最後の投稿が6月あたりですので、再開を期待したいところです。
今回の作品は作者さん初投稿とのことで、また時間をおきながら投稿されている(決まった頻度での更新ではない)ようです。
今までの感想を書いてきた経緯として、第一に読者としての感想がほとんどの作品であるのですが『壊れた世界から ようこそ。』では、第一感想が二つあります。
1 ひとつめは、単純に物語の設定の面白さです。
世界のどこかに、主人公にとって会いたい仲間が二人いる。
勿論、この二人とはそれまでに友情を育んできたであろう過去があるらしきことも垣間見えます。
この展開は私にとって『ファイナルファンタジー6』というゲームの中にあるものを思いださせました。主人公の女性が崩壊した後の世界で、かつて共に戦った仲間を探す流れがあり、その時の情景が強く浮かび上がりました。
このあたりが描かれる3話は、1話から読み進めていて「来たーーーーーーっ!」と、つい叫んでしまい、隣の部屋の義理姉は驚いてコーヒーを吹いたらしくてひどく怒られました。
個人的に3話の描写や文体は好みで、才能を感じます。田舎の風景から、私のイメージとしては豪勢な城のテラスの風景が脳内に描かれ、まさに物語のプロローグが来た!
雑な例えで本当にすみませんが、RPGゲームを始めるにあたり電源を入れボタンを押したら映像が流れ始めて~ おおっ~! みたいな感じです。非常に雑ですみませんが第3話はまさにそれでした。
そして主人公のスキルですが、あの盗賊と戦った能力は何だったの?という興味があります。ひょっとしてスキル鑑定で出て来た最初のもの?
と言う風に、好奇心も湧き上がります。
2 じいちゃんとばあちゃんの絆みたいなもの
このあたりは胸にくるものがありました。
とくに第8話で家に帰った時にみつけたネックレスとバングルは、心温まるものと悲しいものがありましたね。
会話の中での短い部分でしたが私の中では印象に残っております。上手く説明は出来ないのですが、女性の方はこのようなところに惹かれると感じます。
□
私自身、読者目線で物語を読んでいて「女性の感覚」で惹かれる部分と「男性の感覚」で惹かれる部分があります。
ちなみに男性の感覚として強く印象にのこるのは『夢の中で世界の終わりを見ているシーン』でした。また、盗賊との戦いで〇〇をまとい戦うシーン。
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感性に従って読書を楽しんでいると、物語の面白さを正確・明確な文字で説明すること難しいんです。
ですので「繊細で丁寧な文章・文体ですね」という感想を見かけて<じゃあ、どこがどういう風に、繊細で丁寧なのか論理的に説明してくれ!>と私は思う事があります、時々、本当に時々。
しかし、本気でのめり込んで文章を読むと、その「繊細で丁寧」という表現が 感想を述べる人の素直な気持ちだと考えています。
前述の第一感想が二つあるように『壊れた世界から ようこそ。』は形のある力強さを持つ男性性と、丁寧な感性の女性性との二面性が感じられる作品でした。
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丁寧な感性の女性性を感じた部分
・街中などで、そのときの主人公の表情が脳裏に浮かぶシーン
・周囲の人物が主人公に直接的に、またさり気なく心づかいをするシーン
・主人公が人をおもんばかる心情を持つシーン
と、いった所です。
また、冒険者ギルドの説明では、ギルドの仕組みが丁寧に解説されており、基本的な部分は他の創作物と同じであるが、どこか作者さんの個性を感じる者がありました。
村を救援に来た部隊、トラメス町の屋台などの説明描写も、どこに何があるなどがきっちり書かれていて脳内に情景を思い浮かべやすかったですね。
ここは作者さんの才能ではないかと思います。
作者さんの人に対する思いやりと、それに従った文体による描写がそうさせているのだと思います。
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読みやすい
その世界内での描写が、非常に読みやすい。今まで感想を書いてきた15作のなかでもトップ3に入ります。
はじめて書かれた小説でこの読みやすさなら、とても大きな武器になると思いますので自信を持ってほしいなと思います。私も負けないように頑張ります。
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創作者目線で見て、スムーズに物語が進行しており、壮大なスケールの物語が上手くまとめられてカタチになっていると感じます。
(私はこれが苦手でコンパクトに収めようとしても勝手にスケールが大きくなり収拾がつかなくなります)
文体も魅力を感じます。
では、作者さんの都合もあると思いますが、ぜひ続きを書いて欲しいなと思いつつ終わりにしたいと思います。
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