感想7『弱小記~Phantasmagoria of SOL world.』~London Murderer部
■こんにちは!天音朝陽です!読者目線での感想をお届けします。
London霧の時計台が、ナイフと共に時を刻む
『Hunter×Hunterの念能力戦』『平野耕太・ヘルシング、ドリフターズ』を彷彿とさせる週刊連載アクション風の物語
これは小説ではない漫画だ
感想7『弱小記~Phantasmagoria of SOL world.』
一部 London Murderer 31投稿ぶん
作者 原田むつ 様
https://kakuyomu.jp/works/1177354054896565585
★最初スポーツドリンクかと思って飲んだら、最終的にウオッカに変わっていたような・・・、盗賊退治かと思わせて、世界征服阻止へと規模拡大
★異能バトルが面白い。作者はどんだけ面白いアイデアを生み出せるのか?
★テンポの良い音楽を聴きながら読みたい
★モーツァルトがシェークスピアが、パラケルススが!
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イチ読者として、作者さんへ一番伝えたい感想
『こんな密度のある面白れえ物語を、一気に読ませないでくれ!』←ホントこれ
・・・いや、まあ、最初にお願いしたのは私のほうですからね。はい、すみません。
最初はね、軽い気持ちで読み進めたんです。
今までの感想依頼の作品が、マジで重厚で骨太で大剣や竜がゴンゴンやりある世界観だったんで。
だから一話あたりで「これは!気軽にルイボスティー飲みながら、楽しめるエンターティメント作品がようやく来たわ!」と肩の力を120%脱力したのが間違いでしたわ。
数多く登場する色どりが鮮やかなキャラ、アイデアが煌めく異能戦、キャラクター間の心情、メインキャラの背負った背景・・・・
おおっともう頭を休ませてくれと思うと、来るのだよ・・・「分かる人には、分かる」って内容のやつが、それが知能を刺激する。
ああ、右脳も左脳も休ませてもらえないわ・・・、ああぁつ!
で、作品の詳細を見てみますと毎日投稿の作品じゃないんですね。
しっかりと考慮しながら投稿されている物語だったんです。
それを二日で読んだ私は、はっきり言って死んだ。
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普通の感想
とにかく読者としての感想はというと『面白かった』なんですね。
ですので、以下は創作者目線での『なぜ面白かったか?』の分析になります。
物語は文章で表現されているのですが、私の言葉でいうと『漫画』でした。現在の言葉で言うとコミックでしょうか?、これはもちろん賛辞なんですけど。
真面目ぶった批評を書いている作家さんには絶対に書けない内容だと感じました。
しかし、漫画では表現できない、つまり文章表現でしか出せないものも見受けられました。
26話
>パラケルススはため息を吐いた。
>「相変わらず……思想家のルターみたいに悪趣味だヨ」
この2行のもつ奥行きを漫画のコマで表現するのは不可能だと感じます。
第16話の一文
>どこかの国には、海に浮かぶ船八艘を兎のように乗り継いだ英雄がいると聞いたことがある。
これも漫画の吹き出しの中だけで言わせるのは違和感があるんですが、小説上の表現だとすんなりと受け入れられます。
船八艘を乗り継いだのは源義経ですが『兎のように』という部分は作者さんオリジナルの表現で、創作者目線としては上手いなあと感じます。
なわけで、脳内で映像や蓄積された(文章的な)知識が、入り乱れて駆けまわる訳です。
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では、すこしテンションを落として冷静にいきましょうか。
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風景描写で物語に没入できました。
>緑色のアーチ状になっている橋脚と規則的に建てられた街灯は、ブリタニア特有の>優雅さを感じさせ、見る者に美しいと思わせた。
>そして渡った先に見える時計台と合わせることで、ブリタニアの雄大さを垣間見る。
まるで自分が登場人物たちとロンドンにいるみたいです。
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印象に残った文章
>奴等は霧の夜、伸ばした手の先すら全く見えない時に奇襲に来た
フランクルの『夜と霧』を思い起こさせる一文ですね。
>霧に紛れてホムンクルス化させた村人
意味ありげ、ナチスのホロコーストと掛けているのかなとおもいました。
>ジークは剣を自分の魔力を込めて放り投げることで、ヒト型にして世界に顕現させる
>7話 長いシャワーを浴び終えたバルムンクが帰って来た
→ヒト型にして顕現させられたバンムルクが長いシャワーを浴びるっていうのが面白い!
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どこかエロい一文
28話
>ファフニールだ!!あいつの名具見たけど、凄く強かった!!
ファフニールちゃんてゴスロリ衣装でしたよね、名具とか・・・なんだかエロいですぅ。
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好きなキャラククターランキングとその理由
恒例の企画です。
1位 アイシェン・アンダードッグ
「まず俺がこの旅をしている理由は二つ。一つは、現シントウの民の長、『神道武蔵』を越えるための武者修行だ」(第8話)
私が感想を書いてきた中で、主人公が一位に来るのは珍しいですね。私個人として主人公には物凄い期待を込めるタイプです。アイシェン君は私の期待に物凄く答えてくれた主人公でした。
・情が厚い。物語を通して、敵であり友でもあるトーマスへの気持ちがストレートに共感できる。
・最初から強いわけではなく、修行したりキツい出来事で強くなっていくのは私の中で王道であり共感できる。(最近の流行はそうではないみたいですが)
・サン先生に煙管を買ってやるなどの、さり気ない優しさが良い。
2位 エメージュ・モーツァルト
・来た!まさかモーツァルトとは思ってもみなかった!
「私はミュージック!本名は『エメージュ・モーツァルト』!!」
で、最初の曲は『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』
・ネタバレですが、ピアノを弾いて攻撃してくるというのが良い。しかもピアノを普通に弾くのではないという所が個人的に「うおおぉ!すげえ」となりました。
これは漫画では表現できない手法と思います。また、映像でやってもストレートすぎて逆に難しい表現になると思います。しかも、どこか詩的な感じです。
サン先生を苦戦させた戦いは見事でした。
ところで彼の鼓膜は大丈夫なのか。
・恋人想いなのも高評価です。
・この人が2位なのは私が実際のモーツァルト好きなのもありますが、完全に個人の感情です。
3位 ファフニール
「ファフニールという名には聞き覚えがある。ブルグントと言う国を騒がせた、邪竜の名だヨ」
・シェークスピアとの戦いにて語られた彼女の過去、ゴスロリ、戦闘力、アイションくんが昔の恋人に似ている
などなどの点が、他のメインキャラを抜いて3位に入りました。出された数多くの情報が私の共感を呼ぶものでした。
・強いゴスロリ、、良いですね。
その他のメインキャラも魅力十分で以下同率4位で
サン先生・・・煙管、強い、過去に何かあり
ジークフリート・アルミーラ(+バルムンク)・・・なぜ顕現化したバルムンクと性格が違うのか?が気になる
モルドレッド・メドラウド・・・コーヒー好きの魔族
トーマス・・・友情
ジェームス・・・悪役に徹していて好き
と言った感じです。
あまり活躍しませんでしたが、はじめのほうに出てきました修道士タックというキャラも個人的に印象に残っております。
あ、あとジャック・ザ・リッパー
というのはB’zの曲のJAP THE RIPPERのもじりですか?
もし違っていたとしても歌詞の内容など雰囲気が合っている気がします。
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このようなあたりが代表的な感想ですが、おそらく原田むつさんが狙って仕掛けられた部分に私はしっかりとはまったように感じます(それ全部書くととんでもない文章量になりますので)。
前回までの読んできた作品とは違い、小説の物語ってこのような楽しませ方もあるのか?と目からウロコの連続でした。
もし可能でした『ヘルシング 少佐の演説』を原田むつさんバージョンで物語中でやって欲しい所です。すでにやっていたら教えて下さい。
(少佐の演説をもしご存じなければ、検索すると解説や動画がすぐ出てきます)
では、興奮冷めやらないので
加古隆作曲の「パリは燃えているか」を聞き、ウオッカでも飲みたいと思います。
またお会いしましょう
Auf Wiedersehen(アウフ ヴィーダーゼーン)
Ha det bra! (ハデブラー!)
Досвидания(ダズビダーニャ)
Good bye !
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