異なる世界のお話。未曾有の自然災害に見舞われた国がとった決断。
それは琥珀に人々を包み休眠すること。
端っこのこの場所では2人に1人分ほどの量しかない……
「僕」のその時までの2時間を、そして時を経たその後の始まりを描いた短編です。
包まれる直前に彼が取ったちょっとした行動に、私は正直ええっ?!って驚いたんですが。
彼女が長い眠りから覚めてのストーリーを読む中で、何やらストンと。
そっかそうだね、腑に落ちるというか、彼らの気持ちに寄り添うことで、大変意義のある行為であったと。あの時の彼の気持ちが十分に伝わってきました。
特徴は文の書き方がメランコリックではない事です。
淡々と彼によって、どことなくさらりと物語りが紡がれます。それがまたなんとも夢物語のような独特な雰囲気で、不思議な感覚に陥らせます。
みなさまもじんわり心に染み入る琥珀なひと時に、包まれてみませんか?