二 “影の皇帝”

@YumitukiNaganami

プロローグ

少年は眠れず、月の明かりに照らし出された自分の顔を見て、自分の容姿について悩んでいた。それは少年は昔のある皇帝と少し似ていたからだ、生まれつきの金髪に少しだけ銀髪が入っていて、耳は少しだけとんがっていた。

彼は皇帝と似ていると思っているが正確に言うと髪の色が逆であり、銀髪に少しの金髪が正しい。この容姿は一千年も続く魔導帝国を築いた初代皇帝アレグランダー・エべラートの息子がら続く容姿であり、滅多にない銀髪とエルフの混血、この容姿は皇帝の象徴でもあった。

少年は思い込みだとずっと思っていた、だが月の明かりに照らし出された銀髪は少年の考えは根拠のない確信へと変わっていた。


時は帝国中期、

男は後日に来る友人のため、自分の使用人と一緒に友人に振る舞う料理の素材を調達しようと大都市の商店街に出かけていた。

男は歩きながら友人達のことを思っていた彼は昔に知り合った貴族がいた、その一族はかつて栄華を誇っていたが今やどんどん衰退して誰もその名を知らなかった。ふっと思った、果たして自分が亡くなった後、一族は繁栄し続けるのか。

そんなことを考えでいるとふっと足を止まり、そしてある占い師が目に止まる。

その人は座っていて背が曲がっていた、腕もしわくちゃであり、顔はフードでよく見えなかった。

男が立ち尽くしていると側にいる使用人が彼の耳にささやく、

「あの人いつも何かぶつぶつ言っているし、絶対に怪しい人です。料理の素材は随分とそろっています、早くお帰りになった方がいいです。」

警戒する使用人だが男はこの人ならなにか答えが持っていると感はそう言っていた、

「永遠を望むことは悪いことではない、たけと終わりは必ず来る。」

占い師はゆっくりと話す、そして占い師はまた続ける、

「すまない、さっきの言葉はただの独り言だ。」

人が往来する中、男と彼の使用人達たけが占い師の前に立っていた。この男は十二代皇帝の従兄弟であり、整った顔立ちと通りかかった人々より少し豪華な衣装をまとっていた、たがそこは薄暗く、湿った空気、掃除も行き届いていない、ゴミをそこら中に散乱しているこの場所にとって彼にとって不自然な存在だった。

「おや、これは、これは珍しい客人だね。」

占い師は頭を上げた後そう言った。

男は占いを信じていなかった、どうせ、でたらめなことを言うのだろう。けれどこの時ほんの一瞬だけは違った、彼は悩み果ていた、一族の未来や将来の不安は彼の考えを惑わせた。

男は少しの沈黙の後こう尋ねた、

「…少し占いたいものがあります。」


七つ都市それの歴史は古く初代魔導皇帝の二度の大遠征の後の産物、

新しい帝都 ウィーセンブルク

学業の都市 シュウラフィ

芸術の都市 ルネサンドーラン

商業の都市 メーヨベネファウ

工業の都市 ルーペア

魔術の都市 ヘクスハーウ

信仰の都市 エルサディア


七つの都市では、種族、宗教の自由、そして各都市に七つの専門の自由があった。

そして時がたち皇帝の死後、都市の管理は皇族に任されたことになるが皇族たちは利益を追い求め、帝国人を優遇するのかの問題が戦争になるまで発展した。


大陸には多くの種族が住んでいた、この問題に介入した、人間と六つの種族がバンビリトの戦いをえで六つの種族が勝利し、精霊、竜人、魚人、ドワーフ、エルフ、獣人は帝都以外の六つの都市の監督となった。



帝国暦414年の九月十日、最後の皇帝が崩御、その翌月の十月二十三日竜人族たちは反乱を起こした、彼らの要求は竜人族の解放、ドラゴン国の承認、そして美術の都市ルネサンドーラン周辺及びかつてあった古のドラゴン帝国が支配していた西方地域の割譲だった、この条件は弱りきった帝国でも承認出来ものではなかった。

当時、不満を持った異民族や各地の貴族が反乱を起こし、それが各地が混乱が広がる。だが鎮圧する軍隊は皇帝の手でしてか動かせない、そんな軍隊の一部は反乱に加勢し、帝都ウィーセンブルクは崩壊間近だったが帝国の必死の抵抗で帝国の心臓である帝国議会を最後まで守り向けたが建物はボロボロであるが最後に残存した帝国政府は独立軍と口論の末、妥協案を提出するも独立軍を主に指揮していた竜人貴族たちはこれを拒否、最後通牒を送りつけ。戦争の火蓋は切って落とされた。


だが貴族たちの中での意見の相違によるためか、独立した諸勢力を警戒したためか、その一か月後、(リーダー)は帝国と竜人貴族たちが再び会談を行う間約束をした、その間独立軍はかつて古に伝わるドラゴン帝国の支配していたルネサンドーラン周辺を進軍し、会議を有意に進める予定だった。だが本来期待していたルネサンドーランからの補給は来なかった、ルネサンドーランは竜人族の(監督)が統括していた。

彼は帝国にもっと忠誠をしていたが帝国は崩壊した今、彼は何に忠誠を誓うのか。それは彼の考えを改めることになる。(独立軍リーダー)は彼の矛盾をつこうとしていたがそれはあっさりと望まない方向へと進む。


十一月六日雪降る中、雪で視界が遮られ貴族達は都市軍の様子を伺って軍を近っさせた。だがそれは威嚇として受け取りルネサンドーラン付近に駐屯していた部隊に激音が走る。これをきっかけに両軍の激しい攻城戦の始まることになる。


深夜十時、(リーダー)は貴族達の指示に従って部隊の陣地変えを開始した、当初攻城戦をするつもりはなっかた(リーダー)だったが貴族達に対して口出しできない貧民出身のためこの時貴族の意見は渋々従うするしかなかった。竜人は冬の寒さに耐え難く常に暖をとっている為作業は遅かった。だがそれを見た(監督)は驚き、帝国の寒さに怯えてくれるだろうと予想していたがそれただの願望となった。


午前十一時頃、小競り合いが都市付近で始まった、最初は見張り同士の戦いだったのが指揮同士で小隊を使い建物を取り合うようになった。数十箇所の建物や空き地を元に作成した陣地の取り合いは白熱化した。


午後八時、戦闘は小規模の物に落ち着く。


その翌日昼、反乱軍側の砲撃が始まった。独立軍のルネサンドーランの進軍を聞きつけこれを(監督)に対応して美術品や職人達などの需要人物を避難させ、軍隊が柔軟に対応できるようにした。また公園や開けた展示会場を利用して防衛陣地に変え迎え撃つ準備をほとんど済ませた。

砲撃の音が都市中に響く、これは遊びなどではないと都市側の楽観していた上層部にそう思わせさた。


四時間後、砲撃は少なくなった、突撃の合図は今も振り下ろさんと待っていた。その時だった西の方からある連絡が入ってきた、それは市街地で謎の攻撃を受けて至急増援頼むという報告だった。それは貴族の誰もが驚いた、なぜなら西側はほとんど独立軍が占拠しているのに、なぜ数個師団しかいない都市軍が圧勝しているのが不思議っただ。そんな中だった一人、ルネサンドーランの地図を見て、長考している(リーダー)は呟く、

「都市のやずら手強いな、こいずはすぐに落とせなそうだ、厄介だな。」

それを聞いていた貴族の女の子はそれに答える、

「大丈夫ですよ、こんな都市(リーダー)様の力で掛かればすぐに落とせますよ。」

女の子は貴族出身であり自分にはない自由さで、大胆な性格に憧れた眼差しで(リーダー)を見ていた。だけれどそれは自分にシンパシーを感じとれたのかもしれない、

「バカを言え、今回はダメだ。」

(リーダー)は諦めのため息を吐いていた。

「らしくない!(リーダー)はこんなところでありらめない人じゃありません!」

女の子は強く言い放ち皆の視線を集めさせた。

「もっと何かあるはずです、わたしの部隊もまたあるでしょう、きっとなんとなるはずです。」

女の子は手を自分の胸に当て自信満々でいていた。

「あんま使いたくないけと、(女の子の名前)が言っているんだし、やるしかないな。」

(リーダー)笑顔で女の子に返事するが内心悩んでいた。


この日戦いは夜まで続き、しぶとい抵抗を続ける都市側に特殊部隊の竜騎士隊を投入しだが戦果は上がったが決定打に欠けていた。


竜騎士隊それは古くある竜人貴族出身の者でのみ構成された部隊であった。その歴史は古く初代魔導皇帝の時代から続く歴史ある部隊であった。

竜騎士隊の装備は今までとは違い目新しく最新鋭なものが多かった、火炎放射器、バズーカなと多種多様な兵器が今回の戦いに投入された。これはどれも帝国時代では企画、開発したが帝国の衰退によって倉庫に眠っていた。

だが(リーダー)は竜騎士隊の投入を渋々決定したのは訳があり、まだ信頼性に欠ける兵器を使いたくないことや今回の戦闘に省力のことが挙げられる、けれど一番は貴重な戦力をここで失いたくないことてある。


場所を戻して都市の西側、建物頑丈な展示エリアを使い機関銃陣地が激しく抵抗し、そして地下水道を使い巧みに展開してゲリラ戦を行なっている都市軍、彼らを組織的に抵抗されたのは(指揮官)であった、戦いの開始当初西側の要塞化はほとんど反対されていた理由は広げた展示エリアは占領されやすいことであった。けれど監督だけが要塞化を承認した、それは彼の天才的指揮をその目で見て、信頼していたからであり、反乱軍の貴族に一矢報いるためでもあった。

この選択は功を奏し開けた場所が多かった西側は攻略しやすいと踏んだ貴族達は独立軍のほとんどの主力は西側に展開させだが、待っていたのは頑丈に作られた展示エリアは準備砲撃を防ぎ、展示するための壁や床は移動式だった為要塞化は容易にできる点もあり、簡単に独立軍の足止めに成功した。


攻城戦の苦戦を耳にする貴族たちに嫌気が刺し、戦車の投入を検討することになる。それはなんとも(リーダー)が頑なに反対したことであり、複雑とした市街地と都市軍が対戦火器を保有していると理由を使って反対してきたが、今回の苦戦はこの意見は無視されることになる。


翌日の午後四時

劣勢である西側に戦車が到着する、反乱軍の戦車は急造品であり、その威力テストは帝国軍にむけて使う予定だった。

戦車の開発、設計や製造はほとんど、戦車に興味があった下級貴族たちが行っていて、それを(リーダー)に見つけられ発注されることになる。

到着した戦車部隊は瓦礫を踏み潰しながら道を進む、

301戦車部隊部隊長(戦車長)は狭い隙間を通して外を見る、彼は直感する、ここは激戦地になると。

進むこと数分、安全圏でここでこの戦車が初めて攻撃を受けることになる、それは交差点の死角であった場所がらの砲撃だった、けれどそれはうっすらと戦車を中心にして周囲を球体上に展開された薄い膜が榴弾の衝撃を吸収してと回転を食い込むことで膜の外で爆発することによって車体は無傷で済むことになった。


「回せ、砲塔を早く回せ、次は無事に吸収されるかわからないぞ。」

早くしなければ再び打ち込まれる、車内全員にそれを伝えるため(戦車長)は怒鳴った。

砲塔が回り始めた、それを見た都市軍は慌てて装填をし始めた。だが砲身は壁にぶつかる、危機感を感じるた(戦車長)は戦車の後退を伝える。

「早く、後退しろ。砲塔はそのまま回せ。」

だが砲塔が回り砲身を向けだがそこには都市軍は初めて戦車を見たこともあり慌てていた。

「魔法式榴弾装填。」

砲身に砲弾が装填されると石が青く光を発する、その隣で(戦車長)はスコープを見つめながら戦車砲のレバーを握り締めていた。

「榴弾砲を狙って……打て。」


火薬の爆発力で発射され弾頭は青く発光する、だが弾頭は榴弾砲に目の前で爆発せずに、榴弾砲に残っていた聖遺物が反応して膜を張り出す。弾頭は膜に幅かれることになると思いきや、それは衝撃に耐えきれず、衝撃を吸収したが破れてしまって榴弾砲にぶつかり爆発した。

大破した榴弾砲を見て、(戦車長)は安堵して、そっと呟く。

「やはり魔法は便利だな。」

車内は少し緊張感が和らげた笑い声がした後、(戦車長)は後部ハッチを開ける。

「78小隊、榴弾砲の聖遺物を回収せよ。」

「はい!」

戦車の後ろに座る数名の歩兵が榴弾砲に目指して、聖遺物回収に向かう。

「ふう、なんとかなったな。」

運転手は肩に力をほぐす、

「ここは狭すぎる、通信士、もっと広げた場所ないか。」

(戦車長)は通信士に質問する、通信士は片耳だけ通信を聴きながら地図を広げる。

「戦車長、前方に公園があり、既に味方が占領しているが、先程敵に占領されており、再び奪還の救援要請が来ました。」

「よし、歩兵が帰って来たら、出発だ。」

これから激しい戦いを予見して皆は戦車内はしばし休憩ムードに入る。

しばらくした後、歩兵が帰ってきた。

後部ハッチを叩く音がした後、装填手は慌てずにハッチをあける。装填手は持ってきた石を(戦車長)に渡す。石を装置にある青く光る石に当てると、青い線が出てきてそれらは装置に向かっていく。青い線が全て吸収された後装置に当てる、

「この石もまだ使える、今はいきなりやられる心配はないだろう。だけど慢心するな、練習通りにやれ。」

一同

「はい。」

そして、戦車はこの戦いに身を提示することになる。

戦いはどんどん苛烈になる、そんな中貴族達はある情報が耳に入る、それは帝国と独立軍の間で会談した結果妥協案が双方が許諾したという情報だった。これにより独立軍を改め王立軍は撤退を余儀なくなった。


だがこの撤退はあくまで仕方なく撤退したまてであり、王立軍はまだ余裕があった。

それは戦闘に参加した兵士はあくまで貴族の新兵であり、訓練はまだ十分にされないまま貴族達が強硬したに過ぎない。そして、戦車の損耗が五割になったことは最も王立軍の中での痛手であった。

この戦いは王立軍の撤退によって終結することになる、そしてこれは第一次ルネサンドーラン攻防戦であり。

再び王立竜騎士軍は都市軍とこの地で交えることになる。

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