#3

 いつから?

 どうして?


 よぎるにまかせ、移行する。

 ねこを除いたことごとく、だれもがひとしく廃忘はいもうされて久しいらしかった。

 螺旋を経るたび元いた地点は朽ち、しかし魔術めいた質感のたもたれるままに裏面りめんを占めてゆく。

 信仰のように。

 綯交ないまぜになった語のなめらかないつわりが斑晶を思わせた。

 かすめるみたいな架空のことばが倣うように散乱していた。


空読そらよみ』


 異香いこうが異香で上書かれ、図録の匯帯かいたいを仄めかすのです。

 微瑕びかのるつるつとてらうような五百重いおえをはしらせておりました。

 牧歌的な聚合しゅうごう

 いろうふうに書きとる。

 春のとけてけいのとけて無何有むかうじみてちょうじて、そんなんだったらどれほど好いても好ききることはない。


『ゆきさるふうならやさしさに』


 とければしたたる文字だけくわえてまるくなってねむった。

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禁め詩(仮題) エンネ・エルレーテ@詩人系VTuber @enneerlethe

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