今の世界の人たちは、みんな優しく接してくれる

絶世の美少女、光理を妹に持つ女子高生、星南。
光理を狙う男子に取次を頼まれたり、明るい友人に振り回されたりしつつも楽しい日々を過ごしていた。

そんなある日、いろはと名乗る謎のうさぎが現れ、星南に驚きの事実を告げる。
星南と光理はそれぞれ日本神話に登場する神様、イワナガヒメとコノハナサクヤビメの生まれ変わりだというのだ。驚く星南だが、神話の時代からの生まれ変わりは彼女ら姉妹だけではないようで……

古事記に描かれているイワナガヒメの物語を知っている人ほど、星南には不幸な宿命が降りかかるのではないかという不安がよぎりますが、本作にその心配は無用です。
星南の周りの人々は、皆彼女の幸せを願っています。優しい仲間たちに見守られることで、臆病で引っ込み思案なところがある星南は少しずつ、「自分の幸せ」に近づいていきます。

色々と暗い気持ちになるニュースが溢れる世の中ですが、
この物語の中においてはいわゆる「悪役」が出てこないので、ずっと温かい気持ちで読み進めることができます。

日々見聞きする刺激に疲れた方、人の優しさに癒されたい方にぜひお勧めです。

その他のおすすめレビュー

水涸 木犀さんの他のおすすめレビュー222