第15話 ちらりズムの世界

「さてさて、今日はどうしたものか」


 学校から帰宅した俺は、今日も今日とて催眠アプリを恵理にかけていた。


 もちろん、朝のうちに日課と化したパンツのたくし上げはしてもらっている。本日は左右の上部に小さなリボンが拵えてある、純白のパンツだった。


 最近、この日課のせいか教室でも、恵理のことを目で追ってしまっていることがあったりする。


 後ろ姿を見ればその日のパンツの色と装飾を思い出し、前から話しかけられればいつかの制服をはだけさせた淡い桃色をしたブラジャー姿を思い出す。


 結構無邪気な顔をしているときもあれば、俺の視線に気づいていつもと違う反応を示すときもある。


 もしかしたら、俺が恵理のことを変な目で見始めていることがバレているのかもしれない。


 俺が変な目で見ることをやめるのは簡単だ。毎朝のスカートたくし上げをさせなければいい。


 たったそれだけで、きっと関係は前のようなただの幼馴染に戻るだろう。


 ……まぁ、言うのは簡単なんだけどね。


 そんな簡単にやめられたら、苦労はしないのが男の子なのである。


 それでも、なんとも思わないこともない。


「それじゃあ、今日は少し控えるか。うん、恵理はベッドに座ってくれ。スカートはそのままで」


 俺の言葉を聞いて目をぱちくりとした恵理は、俺の言葉通りにベッドの上に腰かけた。


 恵理は俺の指示通り、ただ制服姿でベッドの上に座っていた。


 特にえっちな姿勢を取らすことはなく、脚は自然に垂らしているだけ。そんな自然に座った体勢だった。


 いつもと違くなるのは……俺の方だ。


 俺は恵理が足を下ろしたすぐの所に腰を下ろして、正面に座った後に少しだけ腰を屈めた。


「ここら辺かな? お、ちょうど見える」


「っ」


 俺が視線を正面に向けると、ちょうどその位置からパンツが覗き込めた。


 そこにあったのは純白のパンツの微かなシワと、体重とベッドに挟まれて少し潰れた内ももの世界。


 反発力と柔らかさの折衷案として、程よく潰された太ももからちらりと見える内ももは妖艶で、その先にある純白のパンツを恐ろしいくらいに引き立てていた。


 気のせいか、きゅっと少し締まった脚が内側に向けられたような気がしたが、ちらりズムを楽しむことが目的なので、多少視界が狭くなる分には何も問題はない。


 むしろその空間の狭さに、日本の美学であるちらりズムの存在を感じた。


 これは奥にあるパンツがえっちなのか、それとも手前に広がっている内ももがえっちなのか。


 実に難しい問題である。


 ……そういえば、脚フェチって人もいるって聞いたことがあるな。


「脚は、際どい部分に入るか? いや、足裏をくすぐったりもしたことあるし、膝下まではセーフか?」


「っ」


 俺は誰に聞かせるでもなく、そんなことを呟いた後に膝下のラインをじっと見た。


 そこにあったのは、膝下数センチの所にあった紺色のソックス。


 そういえば、女子の制服のソックスって触ったことないな。


 俺はそんなことを考えているうちに、恵理の足を少しだけ持ち上げて、胡坐をかいている俺の膝の上に乗せた。


「へぇ、こういう感じか。案外、気持ちいいんだな」


 普通の男子の靴下とは少し素材が違うような気がする。スクールソックスならではの素材なのだろう。


 この素材の感じは案外悪くないのかもしれない。


 そういえば、脚フェチの中には足の裏がいいんだと言う人もいるらしい。


 まぁ、ものは試しか。


「よいしょっと」


 そう思った俺はそっと足の裏を支えながら、ぐっと足の裏が見るように足を持ち上げた。


「あっ」


 当然、足を持ち上げた分だけ体は後方に倒れるわけで、急に足を持ち上げられたら構えることができずに、恵理は頭をベッドのすぐそばにある壁にぶつけーーなかった。


なんか咄嗟に腕を出して少し体を倒しながら、器用に首をこちらから逸らして壁に当たらないようにしてる。


 まじか、催眠ってそこまで自動操縦されるのか?


 まぁ、自分の身に危険が及べばそうもなるのか。 いや、なるのか?


 とにもかくにも、引き続き足の裏を観察しようとした俺だったが、目の前にはそれ以上の光景が広がっていた。


「いやいや……さすがにエロ過ぎだろ」


「っ!」


 今の構図的に、ちょうど脚のストレッチをしているかのように、恵理の足を開かせてしまっている。


 もちろん、それによって股関節を開かれるわけで、表現してはならないような部分が開帳されてしまっている。


本来なら、この恵理の姿を凝視して記憶に強く残したいが、それをするのも憚られるくらいの光景だった。


 さすがに、クロッチ部分が強調されるようにこちらに押し出されていて、その間のシワがどうとか、太ももとの境目がどうと、こうして見ると、裏太ももってほぼお尻なのではないかとかの情報を記憶として残すのはマズい気がする。


 分かりやすく言えば、パンツを下から見た構図をさらに際どくさせてアップで見ているようなものだ。


 それも、足を開かせながら。


 さすがに、この光景を長時間見るのは紳士的ではないだろう。


 ……だから、見るのは十秒間だけ。


 俺は事故的に起きてしまったその光景を瞼の裏に焼き付けた後、再び脚フェチの気持ちになろうと足裏の観察に戻ることにした。


 とはいっても、この体勢をずっとというのもよくはないだろう。


「片方だけ靴下を脱いでみてくれないか?」


 俺の理性を保たせるためにも、一旦態勢を整えてもらう必要がある。


それに、スクールソックスを履いたまましばらく見たので、今度は素の状態の足を見てみようとも思った。


俺はスマホの催眠アプリの画面を恵理に見せながら、そんな言葉を口にすると恵理がもぞっと動いた。


 ちらりとスマホの催眠アプリを確認した恵理は、顔を赤くさせながらじっとこちらを見た後、そのまま少し体を起こしてスクールソックスを脱ぎだした。


 スルスルと靴下を下ろして素肌が見えていく様は、洋服を脱いで一糸まとわぬ姿を見せられているようで、俺は少しだけ食い入るように見つめていた。


「……」


 そして、脱いだ靴下をそのまま床に落とすと、少しだけ躊躇った後に俺の太ももの上にその足を置いてきた。


 そのときに伝わってきたのは少しだけ冷たいような温度と、足裏だというのに程よく柔らかい感触。


 じんわりと足裏越しに伝わってくる恵理の温度と感触が、俺の太ももに伝わってきた。


 そのまま足裏を拝見しようとして、足を持ち上げようとしたのだが、俺は先程意図せずに見てしまった光景を思い出した。


 さすがに、二回もあの光景を見るわけにはいかないだろう。


そう思った俺は、太ももに置かれた足の下に手を入れて触るだけにしておいた。


 足の甲を親指で優しく撫でて、足の裏は他の指の腹をそっと這わせたりして、足の裏の感触という物を確かめていた。


 触れる前には思いもしなかった柔らかさと反発力。それと少しの湿りけと程よい温度が伝わってきて、不思議と俺の鼓動を速めてきた。


 時に、指の間を少しだけ広げてみたり、つうっとふくらはぎや膝の裏に指を這わせて、膝から下の脚の感触を堪能していた。


「んっ……っ」


 滑らかで程よい筋肉と柔らかさを兼ね備えたような肌触り。不思議と触り始めたらずっと触れてられそうなその感覚に驚きながら、俺はしばらくの間恵理の足と脚の感触を堪能したのだった。


「はっ……んっ」


 途中聞こえてきた声は、多分足の裏などを触られてくすぐったかったから出たのだろう。少し嬌声染みたような声が気にはなったが、そんな声が聞こえないふりをして、足を触り続ける自分がいたことには驚いた。


 なるほど、これが足の魅力というものか。


 その魅力に気づいて顔を上げたときには、見えていたはずのスカートの中は完全に閉じられていた。


 まぁ、時間も忘れて触ってたし、くすぐったかったのだろう。多少、体が動くのは仕方がない。


 俺は足と脚の魅力を十分に堪能した後、本日の催眠を終了することにしたのだった。



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