第3話 空白の時間
鵺の討伐が終わった後、俺たちは日本怪異討伐連合、通称怪異連の事情聴取を受けていた。
なんでも、普通鵺は森のもっと奥のほうに生息していて、こんな都市部の近くに出てくることは普通あり得ないそうだ。
普通あり得ないってことは普通じゃないことが起きているということであり、怪異連が調査に乗り出るらしい。
まあそんなこんなで刺激的な日曜日を過ごした後だが、俺たち学生は月曜日には学校に行かなければならない。
俺には記憶がなく、何歳かも不明だが、一応16歳の高校二年生ということになっている。
さて、次は俺が通っている学校の説明をしよう。
寿市立寿中高一貫校
一見は普通の私立高校だが、この学校は年々増加する怪異被害を対策するために国が作った高校である。
全国のそういうそういう才能のある小~中学生の親に学費や、量の家賃タダを餌に推薦状を送ったり、全国の神社や、寺のせがれとかに声をかけたりして在校生をつくっている。
そんなこともあり、全国各地、時には海外の魔法使いまで幅広い地方の人たちが集まっている。
そんな学校だが、今日は妙にザワついている。なんでこんなにザワついているのかを、俺のクラスメイトで有名なお寺の息子の浦和大地に聞いてみた。
「おーい大地?」
「ん?カナタじゃんどうした?」
「なんでこんなザワザワしてんのかなって」
「ああ、なんかここの学生が鵺を一撃で討伐したって噂らしいよ」
それたぶん俺のことだけど、討伐したの俺じゃなくて隆弘さんなんだけど。
そう思ったけど黙っておくことにした。
そのあとは教室に入り、午前中には基礎座学を受け、午後になり特別授業の戦闘訓練をすることになった。
「よおし、久しぶりにやろうぜ」
と大地に声をかけられ、俺は大地と組んで授業を受けることとなった。
今回の形式は模擬戦で、相手の急所に武器を当てれば勝利となる。
校庭につき、俺たち二人は向き合って互いの得物を手にする。
俺は木刀を選んだが、大地のほうは何やら細長い棒のようなものを使っているようだ。
そして、先生の笛の合図で戦闘訓練が開始された。
まずは手始めに俺が大地へと切りかかっていくが、大地は器用にも棒を回転させてそれをはじき、棒を振り回して突撃してくる。
突撃してきた大地にめがけて『鬼火』と言う術を使い、拳大の大きさの火の玉を大地めがけて放った。
大地は防御するが、そのすきをついて接近して棒を奪い取り、急所めがけて木刀をたたきつけたことで俺の勝利となった。
「いや~やっぱ強いなぁ。マジで鵺討伐したのお前なんじゃねぇの?」
「いや、俺じゃないよ。てかお前のじいさん怪異連のトップの一人なんだから、それぐらい教えてくれそうじゃない?」
「それがさ~じいちゃん予定があるとかで全然教えてくれないんだよ。今頃何してんだかねぇ」
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「さて、これより日本怪異討伐連合定例会議を開始する。」
青空の彼方へ karaage @hikaru_221
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